出版社内容情報
上方落語をはじめ広く芸能・文化に関する論考・考証を収め、桂米朝の代表作として名高い『上方落語ノート』の第三集を文庫化。「コトバ、それからそれへ」「幕末の落語家のマクラ」「先輩諸師のこと」「不易と流行」「天満・宮崎亭」「考証断片・その三」「寄席の楽器類」「ネタ裏おもて・その三」など収録。全四集。解説・廓正子
内容説明
上方落語研究・評論においても第一人者であり、多くの著作を残した桂米朝。中でも、広く芸能・文化に関する論考・考証を収めた『上方落語ノート』は代表作として知られる。落語論、先輩諸師の芸の記録、芸能をめぐる文献・史料の考証などを収録。長年の調査研究や見聞に基づく、貴重な記録である。(全四集)
目次
コトバ、それからそれへ
浪速新内という噺し家
幕末の落語家のマクラ
先輩諸師のこと
不易と流行
天満・宮崎亭
騒人社の全集について
逸話三篇
考証断片・その三
寄席の楽器類
お山の勧進帳
軽口「一七」
ネタ裏おもて・その三
閑話・夜話
著者等紹介
桂米朝[カツラベイチョウ]
1925‐2015。落語家。重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化勲章受章。作家・正岡容に師事し、その勧めで四代目桂米團治に入門、三代目桂米朝を名のる。六代目笑福亭松鶴らとともに、戦後上方落語の復興に尽力した。上方芸能研究・評論でも定評がある。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
118
2020/8/29 楽天ブックスより届く。 2022/7/20〜7/23 桂米朝師の落語にまつわる記録の第三弾。よくぞ残していただいた、という内容が多い。言葉の変遷で通じなくなってしまった話も多いとのことだが、今も目まぐるしく変わっている言葉が多いので、落語家さん達も大変だな。2022/07/23
fwhd8325
46
一種のバイブルのような著作だと思って読んでいます。ついこの間のようなことが、かなり時間が経っていて、それと共に落語の噺も変化している。時代に合わせて進化していく文化なのだからと言う説ももちろんだし、作られた時代に忠実にと言う説も一つなんだと思います最近の噺家さんも古典を時代に合わせてアレンジして楽しませてくれています。これを言ってはおしまいかもしれないけれど、すべては噺家の力量につきるのだなと。尤も、米朝師は、それを実践してきているから説得力が高い。2020/11/15
浅香山三郎
13
「言葉は時代によつて変はる。」米朝師が今(平成3=1991年時点)のコンビニ敬語みたいなもののおかしさにふれた随想が冒頭に置かれてゐるが、このテーマは、少し違ふ意味合いでも、本書全体の話題にも関はつてゐる。幕末・明治の古い本や先輩諸師の話のなかに出てくる古い上方ことばの言ひ回し、生活・身体の感覚の変化、それらがギャグやオチにも関係するため、わからないことばを考証し、話を補綴してゆく。本書の論考も、さういふ作業の副産物だつたと思はれる。「道灌」に出てくる漢詩の謎を始め、嘗ての知識世界と↓2021/05/28
やまねっと
4
このシリーズ本を買って、私はどこに向かうのだろうと自問自答したが、中身は落語に絡めたものばかりで、資料として、米朝師の演芸研究家としての一面も見えて面白い読み物になっている。 おめこの語源、先輩諸氏というのが特に面白く読んでて楽しかった。他も面白い読み物が入っているので、とても勉強になった。2021/08/01
Tatsuo Ohtaka
1
その博識に圧倒される。寄席の楽器に関する話がなかなか興味深かった。2021/02/24