岩波新書<br> ケインズ―危機の時代の実践家

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岩波新書
ケインズ―危機の時代の実践家

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004319900
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C0233

出版社内容情報

第一次大戦の戦後処理、金本位制復帰問題、大恐慌――。「パンフレットを風に吹きとばし」時論を展開する必要に迫られた危機の時代の実践家ケインズを描く意欲作。ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続け、マクロ経済学の誕生を告げる『一般理論』に至った苦闘を追う。

内容説明

第一次大戦の戦後処理、金本位制復帰問題、大恐慌―。「パンフレットを風に吹きとばし」、時論を展開する必要に迫られた危機の時代の実践家ケインズを描く意欲作。ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続けて、マクロ経済学の誕生を告げる『一般理論』に至った苦闘を追う。

目次

第1章 初期のケインズ(ケインズと経済学の出会い;ケインズの講義科目;ケインズの「貨幣理論」講義;ケインズの講義―貨幣理論と貨幣数量説;ケインズの講義―通貨制度と金生産)
第2章 第一次世界大戦と対独賠償問題(第一次世界大戦勃発とイギリス;第一次世界大戦とケインズ;戦争の終結とパリ講和会議;『平和の経済的帰結』;『条約の改正』;ライヒスマルクの減価;ドーズ案とヤング案;賠償問題から金本位制の問題へ;教訓)
第3章 イギリスの金本位制復帰問題とケインズ(大戦末期の状況と戦後好況;ジェノア会議;金本位制復帰に向けての動きとケインズ;『貨幣改革論』;一九二四年;復帰前夜;旧平価での金本位制復帰;金本位制復帰後のイギリス経済;フランスによる金の吸収;アメリカのバブル;『貨幣論』;金本位制の終焉;現代的意義)
第4章 大恐慌とケインズ(『貨幣論』の理論構造;自由党『イエロー・ブック』と「ロイド・ジョージはそれをなしうるか?」;大暴落前夜の状況;ウォール街の株価大暴落とケインズ;マクミラン委員会;ドイツの状況とフーバー・モラトリアム;一九三〇年の状況;一九三一年;一九三二年以降;ケインズとニューディール)
第5章 『一般理論』とその後(『一般理論』の意味;『一般理論』の意義と特徴;ケインズ自身による留保;『一般理論』とその普及;ケインズと自由主義・資本主義・社会主義;ケインズはファシズム、ナチスをどうみたか;第二次世界大戦とケインズ;/戦費調達論;国際清算同盟案)

著者等紹介

伊藤宣広[イトウノブヒロ]
1977年、三重県生まれ。2000年、京都大学経済学部卒業。2005年、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。立教大学助教を経て、高崎経済大学教授。専攻―現代経済思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

109
「預言者郷里に容れられず」とは、ケインズのためにある言葉か。ヴェルサイユ会議でドイツへの苛酷な賠償要求に反対し、英国の金本位制復帰には米国の不況に直撃されると慎重論を唱え、国際通貨システム安定のため貿易赤字と黒字の上限案を提示した。いずれも当時は政治的理由で拒まれたが、結果的に彼の悪い予想は全て的中してしまい、繰り返し後始末に奔走させられる。「合成の誤謬」の矛盾を体現した生涯だったが、21世紀の政治経済は当時よりも合成の誤謬色を強めている。人類生存のためには政治から合成の誤謬を取り除くべき時期に来ている。2023/12/02

KAZOO

89
このケインズに関しての本はどちらかというと一般理論をはじめとした経済理論の説明よりもケインズ自身に焦点を当てているようです。ケインズがその理論を築いたその背景などを世界経済情勢とともに説明されていてわかりやすさがあります。またケインズの理論が政治家などに取り入れられなかった背景やケインズがその主張を変えていったのかもわかります。ケインズの著作を少し読みなおそうという気にさせてくれました。2023/11/26

skunk_c

67
ケインズの評伝は色々あるが、本書はケインズがその時代時代の問題にどのように対応しようとしていたかを、重要な出来事ごとにまとめたもの。その根底にあるのが「合成の誤謬」という考え方で、ミクロ的に正しいと考えられる行動(例えば不況で所得がひっ迫しているときに倹約をする)が、全体としては悪い結果(有効需要の縮減)をもたらすというもの。時代ごとにケインズは考えを変え(ヴァージョンアップと言っていいか)、ついに「一般理論」でミクロの総和でないマクロ経済学の基礎を打ち立てる。政治家との付き合い等のエピソードも豊富だ。2023/11/05

逆丸カツハ

10
実践家としてのケインズを「合成の誤謬」の観点から読み解く本書の試みは的を得ているものではないかと思う。節約が経済全体を冷え込ませることを示す有効需要の原理、一次大戦後のドイツへの過剰な賠償への批判などまさしくそうだろう。そして、そのような国家単位の「合成の誤謬」を乗り越えるための仕組みとしても見ることができるバンコールがイギリスに都合の良いものであったということは一つの皮肉であったかもしれない。ただ、自分はこれに関しては一つの皮肉であったとしても、それを超えた極めて優れた倫理的提案なのではないかと思う。2023/12/27

スプリント

8
ケインズに関する書籍を何冊か読んできたが 徐々に理解できて来た気がする。 コメント欄もとても参考になる。2024/01/04

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