岩波新書
夏目漱石

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004316312
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

孤独と明暗を心にかかえ、小説を通して人間なるものを追究する。作家・夏目漱石の生涯をえがく評伝。

内容説明

結局のところ、人間とはわからないものである。しかし、それでもなお、人間とはわかるものである―。漱石の作品はわれわれにそう語りかけているのかも知れない。深い孤独と明暗を心にかかえ、小説という仮構を通して人間なるものを追究する。作家・夏目漱石(慶応三年‐大正五年)の生涯をえがく評伝。

目次

不安定な育ち
子規との交友
松山と熊本
ロンドンの孤独
作家への道
小説記者となる
『三四郎』まで
『それから』の前後
修善寺の大患
講演の旅に出る
心の奥底を探る
生きている過去
『道草』から『明暗』へ
明暗のかなた
晩年の漱石とその周辺

著者等紹介

十川信介[トガワシンスケ]
1936年北海道生まれ。1966年京都大学大学院博士課程修了。現在、学習院大学名誉教授、日本近代文学館顧問。専攻は近代日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

142
人間夏目漱石論です。私は夏目漱石の評伝は江藤淳、小宮豊隆のものを何度か読んでいるのですが作品論などが中心で人間としての夏目漱石があまり出てこない気がしていました。この評伝は生誕から死ぬまでの漱石の人間らしさが非常によく表現されていると感じました。神経衰弱となったときに妻にあたる姿は普通の人間です。50歳と短命で、40歳から50歳の間にほぼすべての作品を書いていたとは思えませんでした。なかなか読ませてくれる人物論でした。2016/11/22

コットン

64
いわゆる作家研究本というほど本格派ではないが、作品だけの話で終始することもなく、実生活が小説に及ぼす影響について分かった。私的には、特に9ページほどですが晩年の話は面白く読みました。 2019/12/04

Willie the Wildcat

60
生い立ちから家族構成、評伝を踏まえた人物像、そして作品エピソード。目新しい点はないものの、子規と鏡子という2人の存在感を再認識。公私の精神的支えという感。子供達への最期の言葉に垣間見る”家族”も、鏡子夫人と育んだ家庭故だろうなぁ。著者のセンスを感じるのが題字カットと、『自転車日記』に触れる点?!後者は単に私の好みの問題。(笑)なお、『門』の表題経緯は、何度聞いてもその行き当たりばったりさ加減に苦笑い。2017/06/29

ドルフィンマン

25
谷崎潤一郎についての人物像が述べられていて、印象的でした。”正直で、潔癖で、億劫がり屋で、名利に淡く、人みしりが強く、お世辞をいふことが大嫌いで世渡りが拙く...”幾つか自身にも当てはまる部分もあり、人間味を感じました。2016/11/18

アミアンの和約

20
明治の文豪、夏目漱石の生涯を描いた本。江戸的な漢詩の素養を持ちながら英語を操る彼は明治という時代を象徴したような人物であるが、そんな彼が小説家として活躍したのは人生最後の10年ほどだというのだから驚かされる。2024/01/23

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