出版社内容情報
二〇代で失明。その後障がいの有無を越えて、暮らしやすい社会を希望をもって創っていく躍動感あふれるエッセイ。
内容説明
音声デジタル図書のネットワークを創り、駅ホームの転落防止柵設置に尽力。日用品に点字の説明をつけることや、道路の点字ブロックのありかたにもたずさわる。一〇代末で光を失った著者は、日本点字図書館での活動を中心に、時には国境を越えて、誰もが暮らしやすい社会をめざしていく。躍動感あふれるエッセイ。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寝落ち6段
8
点字の世界。著者自身が網膜剥離を経て、視覚障害者となり、どのような世界で生きてきたのか。目に不自由さのない私には、想像しかできない。実際の経験談を通さないとわからないことがたくさんある。なので、このような書籍はとても大切だと思う。2019/10/05
p31xxx
4
全盲でも点字を使わない方がいる,PC普及の影響,点字の工業規格の話などが,点字について日ごろ意識しない自分としてはそういう事情があるということを知れてためになった.2017/03/29
FKtaro
4
バリアフリーなんて言葉もない時代から凄まじいバイタリティで活動し続けている著者。自分の目は何のために見えてるんかと恥ずかしなります。偉人の素養は見る聞く話すではなく心に宿ってるんだと痛感。2015/12/15
玻璃
3
本書で描かれている「点字の世界」は、亡父が点字図書館を利用させていただいていた頃からは想像もできないものだ。今は点字で漢字かな混じり文を書くことができ、カセットテープはデジタルデータになって、なかには視覚障害者だけでなく発達障害者の利便にも供されているものもある。デジタル化は視覚障害者の職業選択の幅も大きく広げた。電車のホームからの転落事故防止、国際貢献事業など、まさに「駆けぬけ」てきた著者の、“点字が大好き、関わる人たちみんなが大好き”という気持ちが伝わってくる。2015/10/13
おせきはん
3
ご自身も視覚障害者で、日本点字図書館理事長を務める著者が、視覚障害者向け図書の電子化、鉄道の駅のホームでの転落事故防止に向けた取り組み、国際協力事業をはじめとする幅広い活動をまとめています。漢字の点字があること、著者を含め何度もホームから落ちた経験のある視覚障害者が多いこと、ネパールには国家公務員上級試験に合格した視覚障害者が2名いることなどは初めて知りました。図書の電子化が進むと、視覚障害者の方々も手軽に図書にアクセスできるようになるので、いいですね。2015/09/12