岩波新書
「ふるさと」の発想―地方の力を活かす

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311959
  • NDC分類 318
  • Cコード C0231

内容説明

雇用の崩壊、地域産業の衰退、加速する高齢化、過疎化。苦境に立たされる地方をどう立て直すか。「ふるさと納税」など独自の政策提案で注目を集める、福井県知事の著者は、「新しいふるさと」という考えを提唱する。都市と地方の対立を乗り越え、地域における人の「つながり」の再生をめざす。自らの実践をもとに、理念と戦略を語る。

目次

はじめに 地方の声に何を見るか
第1章 地方は、いま―福井の人びとの暮らしから
第2章 地域格差をどう見るか―都市と地方の関係を問い直す
第3章 「改革」とは何だったのか―地方からの視点
第4章 「ふるさと」という発想―つながりが希薄化する中で
第5章 「ふるさと」からの発信―地方からの広がりを
第6章 「つながり」を立て直すために―地方にできること
おわりに いま、「ふるさと」の力を活かすとき

著者等紹介

西川一誠[ニシカワイッセイ]
福井県知事。1945年福井県生まれ。1968年京都大学法学部卒業、自治省入省。自治省企画課長、国土庁長官官房審議官(防災担当)を経て、1995年福井県副知事。2003年より現職(現在2期目)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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よこしま

24
“ふるさと納税”を作りだした福井県知事の著者。◆述べれている内容は他の著者とあまり変わらず、東京一極集中→地域格差→人口減少・高齢化→財政危機と特に目ぼしいことには触れられていませんでした。◆ふるさと納税とは何か?納税者が何処の居住や出身とか関係なく、【好きな自治体】に寄付することができ、特産品を貰えることです(控除のため確定申告は必要です)。◆しかし送られた税金で特産品ばかりを作ってしまう傾向が強く、自治体と一部の企業の癒着が見え隠れする訳で。◆著者は高浜原発再稼働反対の署名を受け取っていません。2015/04/19

Mark

23
都市と地方の新しい関係を考えるその一つとして、「ふるさと」という発想が必要であると説いている。地域格差の存在、構造改革を含む各種政策の失敗、それらが地方の疲弊を加速している現実。個化社会を克服するため、繋がりの再生、ふるさとの見直し等都市と地方の相互関係と循環の仕組みの可能性について考えることができた。やはり価値観を根底から変えていくことが必要ですね。2015/01/21

壱萬弐仟縁

3
日テレ系ケンミンショーでやっていたので、メガネ産業が盛んなのは知っていた(40ページ~)。日露戦争のとき、増永五左衛門が創始したようだ。岐阜の美濃加茂市はこの間TVでIT関連企業が撤退した一方、土岐市は従業員を増やす工場がBSTBSプライムニュースでやっていた。産業政策の自治体の取り組みによっても違いが出てきた事例だろうか。新しいふるさととは、自由な意思で主体的に、歴史を踏まえて個人が作り上げるもの(113ページ)。3.11前の内容なので、改訂版が出れば、原発のことも踏まえて書けると思う。是非、改訂版を。2012/12/07

2
福井県知事によって書かれた本で、福井の土地柄について最初に書かれている。福井県は、全国トップレベルの繊維産業と眼鏡産業の県である一方で林業や漁業にも精通しているが、集落などは没落しているのが現状である。東京と地方との情報量などの格差についても問題としている。他人とのつながりを持ち、共働社会を作ること納税者主義、ふるさとを保全すること、結婚の斡旋、子づくり、地域ブランドなどの経営戦略を地方自治体に移し替えたようなアクションを行い、活性化すべきであるとしている。2014/11/13

mym

2
福井県知事で、いわゆる「ふるさと納税」を提唱した人。地方がお金を使って育てた人材が都会に出て働き、都会に税を納めている現状で、地方が交付金をもらうことは至極当然で、税収で都会が威張ることはおかしい。その点は強く納得した。都会に出る若者たちは多いが、それは確率的に就学や就労の機会が大きかったり、現状の優れている(とされている)学校や企業が都会にあるというだけで、決して都会に生きたいわけではない。むしろ、地方でチャンスがあれば地方、できれば「ふるさと」で働きたいと思う若者は、思いの他大勢いる。チャンスが欲しい2009/10/17

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