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岩波文庫
自由への道〈6〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 433p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003751060
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

敗戦。独仏国境付近で捕虜となった兵士たち。飢え諍い諦めが支配する収容所、その組織化に着手する共産党員ブリュネ。だが独ソ不可侵条約が党の方針を変え、「異端者」に唯一残されたのは、「裏切者」との“奇妙な友情”だった…。未完の大作、全六冊完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

8
「人間なんて下司野郎で、人生なんて生きるに値しないと考えるのに十分な理由を発見するごとに、うれしくなってくる」(277ページ)。後ろ向き発言だが、全く否定もできない。人生、嫌になるときもあるので。中途半端に終わっているようなのは、解説によると、小説というジャンルをも放棄したことが気になった(428ページ)。プルースト以後の新小説を目指したが、サルトルにとっては文学観の展開に関係した挫折だったようだ(429ページ)。プルーストよりは読めるが、戦時下の人間描写というのは、狂気にもなっていたりと苦労したのだな。2013/02/04

テツ

5
サルトルによる未完の大作もこれで終わり。戦時下という極限状態でマチウとブリュネは自分達の自由、自分たちが生きていく上で取るべき道、取らざるを得ない道を発見し、そしてそれを(能動的に)選択できたのかどうか。これはもちろん哲学論文ではないのだけれど、だからこそサルトルの思想が混沌としながらも凝縮されて詰め込まれている気がする。自由というもののあり方。そして自由であるというのはどういうことか。若者たちがこれを読んで、我々が簡単に口にする『自由』という言葉について考える切欠になればいいなと思う。2016/01/11

ラウリスタ~

5
ついに長い「自由への道」読み終わりました。未完とはいえそれなりにいい締め。第一部から考えると想像もつかない終わりかたですが。この終盤は敗戦後のフランス人捕虜の様子、それにコミュニストの動きなど、サルトル自身の経験を生かしたストーリーとなる。サルトルのコミュニズムに対する姿勢の変遷などといったテーマを考えるうえでも重要な作品かもしれない。文学的な評価はどういったものなのかは気になる、サルトルって本来作家だと思うのでそうするとこの作品は相当重要になってもおかしくないのだが・・・2011/05/11

Sunlight

4
足かけ3年、やっと全巻読み終えた…。なのに未完の大作という(笑) 物語は当初の構想から時局と共に戦争に向かう、そして戦争に生きる登場人物を変えていくが、自由への道はますます探しにくくなっていく、そんな感じで終わっているのが不思議。まあとにかく平均約400P×6巻を読み終えたので充足感ありました。2014/11/02

ジョンとらぼるた

3
この物語は熱い。熱くてクールでかっこいい。「「それでも」とヴォカリオスは言う、「おれたちがこんなに闘ったのは、いまでも闘っているのは、友情のためでもあるんじゃないのか?」ブリュネは思う。おれがセナックを殴ったのは、おれが危険を顧みずにシャレーの罠に飛び込んだのは、友情のためなのかがわからないのか?」ヴォカリオスは「言う」。ブリュネは「思う」。ヴォカリオスの独白は圧巻や。ブリュネが服の調達屋に服を二人分頼むシーンには鳥肌が立った。。。「彼らは寛大な心から二人を羨ましがっているふりをする。」アチイベ。。。2013/01/31

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