出版社内容情報
第1巻(1835年)でアメリカのデモクラシーの形成過程とその政治制度の運用について分析を行った著者は,第2巻(1840年)では,デモクラシーが人々の知的活動,感情,道徳などに及ぼす影響について考察する.(全4冊)
■「序言」より
アメリカ人はある社会状態を有し,それが彼らに一定の法律,一定の政治的習俗を自然に提示した.
この社会状態はまた,彼らの間に,ヨーロッパの古い貴族社会に見られぬ一群の感情と意見を生ぜしめた.その社会状態はそれまで存在していた諸関係を破壊もしくは修正し,新たな諸関係をうち立てた.市民社会の様相も政治の世界の姿に劣らず変化した.
私は五年前に刊行した著作で第一の主題をアメリカのデモクラシーに関して扱った.第二の主題が本書の対象である.この二つの部分は相補って単一の作品をなすものである.
内容説明
第一巻(一八三五年)でアメリカのデモクラシーの形成過程とその政治制度の運用について精緻な分析を行ったトクヴィルは、五年後に刊行した第二巻では、デモクラシーが人々の知的運動、感情、道徳などに及ぼした影響について考察する。
目次
第1部 デモクラシーが合衆国における知的運動に及ぼす影響(アメリカ人の哲学、その方法について;民主的諸国民における信仰の主要な源泉について;アメリカ人はなぜ彼らの父祖であるイギリス人より一般観念に適応し、これを好むのか;アメリカ人が政治における一般観念にフランス人ほど熱中したことがかつてないのはなぜか ほか)
第2部 デモクラシーがアメリカ人の感情に及ぼす影響(民主的諸国民が自由より平等に一層熱烈で一層持続的な愛着を示すのはなぜか;民主国における個人主義について;個人主義が他の時代以上に民主革命の後に著しいのはどうしてか;アメリカ人は自由の諸制度によってどのように個人主義と闘っているか ほか)