内容説明
日本漫画の歴史、特色を取り上げた実作者による著作。著者は、風刺諧謔、滑稽皮肉を漫画の本領とする。日本漫画の嚆矢を「鳥獣戯画」とした。鎌倉、室町、近世への多彩な作品の変遷をたどり、英一蝶、北斎の登場を画期とする。近代漫画の岡本一平まで、多くの図版を示しながら語られる、興趣尽きない快著。
目次
漫画の字義と意味
日本の箇性と階級制度
鳥羽僧正
鎌倉時代と絵巻
室町時代の漫画
桃山期と狩野畑
徳川時代の一般画界
漫画としての大津絵
英一蝶
探幽の狂画〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
最近の岩波文庫はむかしの古典の文庫化ばかりではなくこのような本も入れてくれるので結構楽しみです。この本は大正の末ごろに出版された本で日本のマンガの歴史をその絵とともに解説してくれています。鳥獣戯画から始まり大津絵、北斎、河鍋暁斎など私の好みの作家などもあり楽しめます。さらに解説で補ってくれているところもあり参考になりました。2019/04/03
takao
2
ふむ2022/10/05
bura
2
大正時代に書かれた日本の漫画史。清水勲氏の文献の参考にもなっているのでは?内容的にも現在の人間に岡本一平(例えるなら手塚治虫レベルの漫画家。岡本太郎の父)までの漫画の流れを理解させるに充分足り得る一冊である。2019/04/19