岩波文庫
美しき惑いの年 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 459p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003243633
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

出版社内容情報

六十歳をこえた作家カロッサ(一八七八‐一九五六)が四十数年前の若き日をふりかえり,ミュンヘンの医科大学で学生生活を送った一年間の体験を文学として結実させた自伝小説.青春の行路において様々な惑いに出会いながらもそれに溺れず,強い生活意欲をもってより高い人間へと己れを高めて行く一青年の歩みが誠実に描き出されている.

内容説明

ギムナージウムを終えた私は、大都市ミュンヒェンで医学を学びはじめる…。60歳を過ぎ、円熟味を増した老作家は、時代の子として“危険な年齢”を生きた40年以上も前の若き日を振り返る。青春の行路において様々な“惑い”に出会いながらも、質実に人間であることを目指して生きる一青年の歩みを描いた自伝的小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

魚京童!

19
ごめん、さっぱりわからんわ。2016/01/12

ラウリスタ~

8
くそつまらない教養小説だなと思って読んでると、どうやら三部作の三つ目だったらしい。19~20歳の大学入ったばかりのころ、の自伝的小説。順番は前後するが、前の二冊は今から読む。もっとも独立した小説としても読める。いくつか面白い部分はある。ただ、ドイツの教養小説からだいぶ離れていたこともあって、正直退屈ではあった。ラストで、「水は二つのガスから出来ているんだ、僕は今からそれで爆発実験してみるよ」なんていう主人公のレベルの低さ。これはさすがに勉強しなさすぎだろう。19世紀末だということを踏まえても。2012/09/18

壱萬弐仟縁

5
1941年初出。解説によると、大事なのは錯迷を貫いて、より高い人間に向かって生命、愛、至純への意志が最大の問題とされる(432ページ)。若者向きだが中年が読んでもそれなりに学ぶことがあるかも。「忠実に学問に仕えるということは、どんなに男子の存在にふさわしいことであるか」(61ページ)。女子にも必要だが。「苦悩の世界」で、「天翔(がけ)るべき魂、高貴な節度、表現を絶したものにたいする畏敬、悲哀の創造力、青春の力をよみがえらせる夢、美、などの絶えがたい宝」(201ページ)。こうしたものが失われつつあると嘆く。2013/02/08

えろこ

3
自伝形式の小説って、若い頃の苦悩を描いたりしますが、本書はそういう内容ではありませんね。どちらかというと「若い頃の俺、結構イケてたんだぜ、へへっ!」という感じの内容だと感じました2011/06/19

よしくん

2
とても優しい小説。のんびりと別段何事も起こらずに青年が成長していくお話。19世紀末、自然科学と文学の両方を愛し、田舎から都会へ出る青年、惑う事が無い訳がなく極々自然に惑いまくっているのが微笑ましい。また、とても丁寧に描かれていて、見たことも無い100年前のバイエルンの情景が目に浮かぶようだった。古本屋で何気なく購入したのだが、すっかりカノッサが好きになった。二回の大戦に巻き込まれはずの登場人物のモデルになった人達が酷い目にあう事もなく、幸せに生きて死んだ事を祈らずにはいられない。2022/04/11

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