岩波文庫
内乱―パルサリア〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003212615
  • NDC分類 992
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ローマ帝政初期〈白銀時代〉の詩人ルーカーヌス(39―65)は,皇帝ネロの不興を買い,若くして自決を命じられた.『内乱(パルサリア)』は前1世紀半ばのローマの内乱に取材した歴史叙事詩の雄編である.燃えるように激しいアイロニーとパラドックスに満ちたパトスあふれる筆致でローマの衰退を描く.本邦初訳.(全2冊)

内容説明

ローマ帝政初期“白銀時代”の詩人ルーカーヌス(39‐65)は、皇帝ネロの不興を買い、若くして自決を命じられた。『内乱(パルサリア)』は、前1世紀半ばのローマの内乱に取材した歴史叙事詩の雄編である。アイロニーとパラドックスに満ちた、燃えるように激しいパトスあふれる筆致で、ローマの内乱を描く。本邦初訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっぴー

46
作者のルーカーヌスは、紀元39年生まれ。暴君ネロのお気に入りの詩人でしたが、その才能を嫉妬され自害を命じられたため、本書『内乱』は未完です。内容は、紀元前一世半ばに起きたカエサルとポンペイウスによるローマの覇権争いを描いた叙事詩になります。ガリア戦記やゲルマニアは挫折しましたが、今回はカエサルが風呂漫画の主人公とダブり、テンションと勢いでなんとかクリア。『内乱』って要するに舅と婿のお家騒動なんじゃないかな…と感じている今日この頃。下巻へ続きます。2016/10/14

壱萬弐仟縁

5
「名を求めて、大衆の人気取りに多大な費えをかけ、何事につけても、民衆の声に耳を立て、己の名を冠した劇場に鳴り響く 喝采に嬉々として、過ぎし昔の盛運をひたすら恃(たの)んで、新たな力を蓄えることもしない」(26頁)。こんな指導者であれば、やがては民衆は酷い目に遭うのは目に見えている。「徳というものは、宿命が導くところ、そこへと心穏やかに 従って行くもの」(54頁)とは、不徳者に示している。扇動、独裁、不徳。現代の為政者と市民の関係を考察するうえでも、気を付けないと洗脳されて思考や行動コントロールされかねぬ。2013/03/08

刳森伸一

4
カエサル対ポンペイウスのローマ内乱を描いた叙事詩。大まかな物語は歴史に沿っているのだが、歴史では無視されそうなエピソード(ポンペイウスが妻を避難させるエピソードなど)が大きく取り上げられていて、当然ながら歴史書とは違う面白さがある。また、イリアスなどの従来の叙事詩のような武勇を謳うものではなく、反戦を訴えているところも独特だと思う。2015/02/22

シンドバッド

4
まずは、お見事な訳である。文庫本で手軽に読めようにしてくれた、岩波にも感謝! まさに共和制ローマ期の内乱を描いた叙事詩である。2014/06/01

鵜殿篤

3
【感想】どちらかというと、日本人は外国との戦争のほうを悲惨なものと認識し、日本人同士の殺し合いはエンターテイメントとして楽しんでいる感じがする。源平合戦とか戦国時代とか幕末維新とか。まあ保元平治の乱や真田父子の犬伏の別れのように、親兄弟が敵味方に分かれることは悲劇として描かれるとしても。どういうことか、少し気にかかるところではある。2020/01/23

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