内容説明
善とは何か、真理とは何か、友情とは何か、恋愛とは何か、信仰とは何か―。自分自身が考え抜いたプロセスをそのままに記した著者20代の論考17篇を収録。刊行されるや、大正‐昭和の旧制高校生の間で「伝説的」愛読書となった。『出家とその弟子』とともに倉田百三(1891‐1943)の代表的著作。
目次
憧憬―三之助の手紙
生命の認識的努力
異性の内に自己を見出さんとする心
自然児として生きよ―Y君にあたう
恋を失うたものの歩む道―愛と認識との出発
隣人としての愛
隠遁の心持について
愛の二つの機能
過失―お絹さんへの手紙
善くなろうとする祈り
他人に働きかける心持の根拠について
本道と外道
地上の男女―純潔なる青年に贈る
文壇への批難
人と人との従属
「出家とその弟子」の上演について
千手観音の画像を見て