内容説明
元弘三年(一三三三)、後醍醐帝の綸旨を得た、足利尊氏は北条氏追討の兵を挙げる。新田義貞・赤松円心らが加わった倒幕軍は、北条高時以下を自害に追い込み、鎌倉幕府は滅亡した。だが、建武新政権内部の矛盾と軋轢から、尊氏は叛旗を翻す。
目次
第九巻
第10巻
第11巻
第12巻
第13巻
第14巻
第15巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
133
この巻では、鎌倉幕府は新田義貞に滅ぼされて、さらに足利が関東管領となり朝廷と対峙します。後醍醐帝が比叡山に逃れたり、足利が九州へ落ちたりさまざまな対立が起きます。文章はやはり源氏物語と比べると比較的講談調で読みやすさがあります。また結構中国などの話を入れたりして楽しく読むことができます。2017/03/19
syaori
36
鎌倉幕府滅亡、建武の新政とその失敗、足利尊氏の挙兵とやはり盛りだくさんな第2巻。鎌倉幕府の滅亡の部分は、尊氏が幕府に謀反を起こしたあたりから官軍を源氏、幕府軍を平氏と呼んでいたことに加え、滅亡する幕府方には『平家』の平家一門の都落ちや討ち死にの場面を思い起こさせる場面も見られ、どちらかというと同情的に描かれていたことが印象的でした。その後再びの騒乱で、後醍醐天皇や尊氏とともに幕府を倒した武士たちが敵になり味方になりして戦う様子には世の無常を感じます。官軍に押された尊氏が京を追われ、九州まで落ちて以下次巻!2016/11/29
鯖
26
三巻が出たので、慌てて二巻をざっと読む。三巻もきっと四巻が出た頃に(ry 闘犬三昧の愚かな執権だった高時も、最期ばかりは鎌倉武士としての死に様だよね。脳内には大河の鶴太郎さんの熱演が浮かぶのでありました…。最近鎌倉について色々本を読んだばかりなので、幕府滅亡後の死体だらけの町、餌をもらえなくなった闘犬たちといらぬ妄想をしてしまい眉間に皺が寄るのだった…。二巻にしてクライマックス感があるけれど、岩波文庫の太平記は全六巻。まだまだ続くよ!!!最期まで無事に出てください 2015/04/18
Francis
17
再読。この分冊では鎌倉幕府はあっけなく滅亡。しかし建武の新政も失政続きで北条高時の遺児北条時行による中先代の乱が起こり、足利直義は敗走。弟を救うべくいよいよ足利尊氏公起つ。鎌倉に下って時行を撃破。征討軍として遣わされた新田義貞を撃破して再入京を果たすも北畠顕家卿に追われて西へ。しかし光厳上皇の院宣を得て九州へ下り、多々良浜の戦いで菊池軍を下して九州平定、いよいよ再上洛を目指す。校注者の兵藤さんの解説の通り太平記は登場人物の言葉が大げさ。かなりドラマチックな物語なのだ。だから原文でも面白い。2021/01/26
うた
11
鎌倉幕府滅亡から尊氏九州逃亡まで。相変わらず誇張というか、数が大雑把で可笑しい。2ページにわたって自害する人の名前がならんだり、いくら幕府存亡とはいえ、後詰めの出陣20万人て、豊臣・徳川連合の小田原攻めより多いじゃん。そこからさっさと見切りをつけられて、北条のために命をかける人間が二千もいないと嘆くのはさすがに計算が違うと思う笑。あと小隊長くらいの人が一騎打ちで真っ先に死ぬとか、そりゃ戦もぐだって長引くよ。2020/11/04