出版社内容情報
ギリシア悲劇は詩形式の文芸である.清朗の春,新作が上演された.余りにも人間的な,余りにも現代的なギリシア古典文芸の精華に新たな息吹を与えることを願い,全篇を新訳,脚注・解説を付し,夢を託す陶器の破片のように凛と美しい「断片」をも集成して刊行する.ここにいるのは,他でもない,私たちなのである.
目次
アイアース
トラーキーニアイ―トラーキースの女たち
エーレクトラー
ピロクテーテース
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
19
オデュッセウスに追い詰められ精神に異常をきたして自死する『アイアース』、へーラークレースの死を描く『トラーキーニアイ-トーラーキースの女たち-』、殺されたアガメムノ―ンの子らを描く『エーレクトラ―』、死に際のへーラークレースからトロイヤー戦争の時に使用した武具(弓、矢)を贈られた『ピロクテーテース』の物語の四編を読んだ。 ヘラクレスは不死身とばかり思っていたのだが、自ら焼死することは知らなかった。 読みながら人物相関図をメモ。親族関係などが分かり読みやすくなる。 → 2023/02/25
fseigojp
14
ソポクレスのエレクトラ―は激情のそれ アイスキュロスをさらに濃くした感じでした 2017/04/30
てり
0
面白く読めて満足。『ピロクテーテース』ではオデュッセウスが憎まれ役なのが新鮮でした。2022/11/23
さりー
0
ピロクテテス、楽しい話だった。 このノリが大好きだ。うう、うう、ああ、神よ!→どうして喚き声で神々に呼び掛けたりするのですか。 ほんとそれな おもしろい。 うめき声といい、なんか登場人物のキャラといい、やたら正義感あるやつ、利益のためならなんでもいいってやつ、神の声に導かれてコロコロ意見変えるやつ、キャラ立ちしてて良い。え?また意見変えるの?具合悪い時ってそうだから気にすんなみたいなところも好き。日本語で意味する「悲劇」とは全く違う内容の話だが、これまたこれでギリシア悲劇のパターン。こういうの楽しくて良い2019/06/13