出版社内容情報
数学者は無限をどう扱うのか．正しそうでもあり間違ってもいそうな9つの例を考えながら，その本質に迫る．
内容説明
哲学者・物理学者・数学者を魅了し、悩ませ続けた無限。なくてはならない概念であると同時に、ひとたび取り扱いを誤ると、とんでもないパラドックスに陥ってしまう。正しそうでもあり間違っていそうでもある９つの例を考えながら、無限の本質に迫る。小学生レベルの算数から解析学・幾何学・集合論まで、無限の不思議が１冊でわかる！
目次
１ パズル、証明、パラドックス
２ 無限との遭遇
３ 無限の歴史観
４ 表裏一体の無限
５ 幾何学的な無限
６ 物理的な無限
７ 無限を数える
著者等紹介
スチュアート，イアン［スチュアート，イアン］ ［Ｓｔｅｗａｒｔ，Ｉａｎ］
１９４５年生まれ。ウォーリック大学数学科名誉教授。英国王立学会フェロー
川辺治之［カワベハルユキ］
１９８５年、東京大学理学部数学科卒。日本ユニシス（株）総合技術研究所上席研究員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
67
我輩は数学は好きである。が、得意ではない。というか高３の夏まで理系にしがみついていた。が、ついに未練を断ち切り文系(哲学)に転向。結果、高３の我輩は文系理系の全教科(書)を勉強する羽目に。政経倫社までしっかり。政経倫社が一番成績が良かった。数学はそこそこ。2023/11/05
calaf
11
「無限」について、数学のみならず哲学、宗教学等々いろいろな見方から解説した本。数学の内容に関しては、微積や遠近法、集合論等、結構知っていた内容も多かったものの、哲学や宗教的な内容は知らない事が多くて面白かったです。2018/11/04
CCC
10
かなり哲学的アプローチの分析に力を割いていた。「無限」の取り扱い間違い例の確認に良い内容。2018/06/20
ne_viderem
4
『もっとも美しい対称性』のひと。オックスフォード大学出版局がたぶん中高生＆初心者向けに出してるコンパクトな啓蒙書シリーズ「A Very Short Introduction」からの邦訳。なので数式も易しめ/優しめで、しかもゼノンからカントールまで、純粋数学から理論物理学、さらに神学/哲学まで、縦横無尽にツボを押さえる贅沢さ。数学が苦手な人でもただなんとなく読んでも楽しいだろうし、数学好きなひとは無限という観念が哲学に及ぼした深い影響まで想いを馳せるのもいい希ガス。良書。2018/07/06
タケゾウ
2
「無限」は捉えどころのない概念である。 本書は「無限」の概念を9つの例を交えて解説する。 「無限」というのは現実的には存在しない。 「無限」に見えるものでも実際は限界があるし、それはそのように見えるだけである。 ところが奇妙なのは「永久に続く」ということは、「規則性を探し求める私たちの心の能力の自然な振舞い」であると述べている。 「ようこそ、奇妙だが美しい無限の世界へ」という言葉で本社は締め括られているが、 「現実的には存在しない」のに「心の能力の自然な振舞い」というのは正に奇妙ではあるが美しくもある。2024/03/24
