岩波科学ライブラリー
ヒトはなぜ難産なのか―お産からみる人類進化

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  • サイズ B6判/ページ数 128p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000295970
  • NDC分類 495.7
  • Cコード C0347

出版社内容情報

ヒトはほかの哺乳類とは異なり「難産」だ.原因は,直立二足歩行とそれにともなう脳の拡大だった!? 難産になる一方で,進化の過程や文化の面で,その解決に努力してきた.進化の歩みをほかの哺乳類や霊長類,ネアンデルタール人類などと比べて概観し,めずらしい図版資料の数々を見ながら出産の文化史を見直し,未来を考える.

内容説明

ヒトは、ほかの哺乳類と異なり「難産」だ。では、その原因とは?進化の過程や文化の面で、どのような解決策をとってきたのか?進化の歩みを、ほかの哺乳類や霊長類、ネアンデルタール人類などと比べ、めずらしい図版資料の数々を見ながら出産の文化史を見直し、人類の未来を考えよう。

目次

1 ヒトは難産?
2 解剖学的構造の進化とお産
3 難産は現代人の定め―難産な理由
4 人類進化と妊娠・分娩進化史
5 出産介助者の出現
6 理想のお産

著者等紹介

奈良貴史[ナラタカシ]
1960年東京生まれ。文京区立昭和小学校、同第九中学校、都立北園高校、慶應義塾大学文学部史学科卒業、同大学大学院修士課程修了、考古学専攻。フランス・ボルドー大学で人類学を本格的に学び、Ph.Dを修得。東北大学医学部助手、国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部准教授などを経て、日本歯科大学新潟生命歯学部准教授。専門は人類進化学・考古人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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手押し戦車

14
長時間にわたる分娩は産道の構造により子が産道を通過するのに時間がかかる。哺乳類は円筒形のトンネルだが人は直立二足歩行で背骨がS字状に進化した影響で入口部が直方体で出口が円筒形という複雑な構造をしている。胎児は脳が発達する前に頭蓋骨が柔らかいうちに産道を通過し負担を軽くしリラキシンホルモンが産道の大きさを少しでも広げるように分泌される。生理時に関節が痛むのもホルモンの影響。胎児と母親の愛情による協力関係で無事に生まれることが出来る。人体の構造は思いやりが沢山詰まっている。心にも多くの優しさを持てるのも愛情2015/01/31

calaf

8
他の動物と比べて、人は妊娠期間が短く未熟な状態で出産を迎えるというのは聞いた事があったけど、(人類史的時間スケールでの)いろいろな歴史的な理由があるようです。そこまでして、子孫を残さないといけないのかなぁ...という単純な疑問が浮かんだり...(←生物失格な発言? (^_^;;;)2012/11/29

Humbaba

6
人間の子供は,生まれた瞬間には自分自身では何も出来ない.そのような生物はある程度いるが,人間の何も出来ない期間の長さはその中でも突出している.もしも人間が他の生物と同じような成長段階まで妊娠を続けたとしたら,今よりも更に難産になり,母体が危険に晒されるだろう. 2013/01/13

ぽっか

4
ヒトは、ヒトだけが、その解剖学的特徴上、難産を避けられない。産道は縦に横に狭くなるぐねぐね道で、まるで障害物競争。これは直立二足歩行に移行した結果、骨盤や筋肉の形態が変化したことによるという。そこを巨大な脳がゆく。なぜリスクをおってまで直立二足歩行を選んだのか(その進化は現状成功しているように見える)。だがなぜもっと骨盤が広がらなかったのか(そうなら楽なのに、女性も移動せねばならぬ社会だったとか)。出産の体位の類型も興味深かった。仰臥位は医師側の都合に合わせた体位で座位の方が産む側としては楽らしい。2019/08/13

LM

2
【通読】ヒトが難産なのは、①直立二足歩行のための骨盤の形態と②脳の拡大による胎児の頭の肥大化、の二つが主な原因とのこと。これらに対し、胎児は①頭骨を膜で結合させて産道を通る際に頭の形を変形させることと②未熟に生まれること、女性は①骨盤を変形させ(男性の小骨盤の入口を上から見るとハート型であるが、女性の場合はほぼ横楕円形)②仙腸関節の靭帯と恥骨結合の繊維軟骨を出産のさいに緩めることで、難産を軽減するように進化した。2021/04/29

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