定本 見田宗介著作集〈2〉現代社会の比較社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 180p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000284820
  • NDC分類 361.08
  • Cコード C0336

出版社内容情報

比較社会学的な視点から現代社会をその外部に映し出し、基本構造を浮かび上がらせる。現代アート、現代思想に見て取られる具体的な困難と可能性をとおして、第Ⅰ巻「現代社会の理論」でも提示された現代文化理論の核心が浮かび上がる。収録作品:「鏡の中の現代社会」、「〈魔のない社会〉」、「孤独の地層学」、「時の水平線。あるいは豊饒なる静止」、「声と耳」、『現代社会批判』

内容説明

「見田社会学」と称される独自の世界を創造した著者が、自身の全仕事を振り返り、重要な作品だけを精選してその精髄を体系的に示す。統計資料などは最新データに更新、テクストに改訂を加えた上、各巻に「定本解題」を収録する、初にして待望の決定版著作集。

目次

鏡の中の現代社会―旅のノートから
“魔のない世界”―「近代社会」の比較社会学
孤独の地層学―石牟礼道子『天の魚』覚書
時の水平線。あるいは豊饒なる静止―現代アートのトポロジー:杉本博司『海景』覚書
声と耳―現代思想の社会学1:ミシェル・フーコー『性の歴史』覚書
現代社会批判―小阪修平対談

著者等紹介

小阪修平[コサカシュウヘイ]
1947年、岡山県生まれ。東京大学教養学部中退。東大全共闘の活動家として知られ、その後は駿台予備校講師などを務める傍ら、雑誌『オルガン』の編集(1991年まで)、読書会の主宰など、評論家として幅広い活動を展開。2007年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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小鈴

17
小阪修平との対談以外の論文は既読だが、定本で再読。特に素晴らしいのは、<魔のない世界>ー「近代社会」の比較社会学。何度読んでもぐっとくる。一読に値するので立読みでもいいから(笑)オススメします。今回の定本の収穫は、対談で見田自身が自分の問題関心やキーとなる言葉をさらっと説明しているところ。気になったフレーズをコメントにメモしとこ。2012/02/28

Shin

5
前半の「鏡の中の現代社会」「魔のない世界」は『社会学入門』で読んでいたが、改めて読むと新しい発見がいろいろとある。社会学はその性質上「比較」という手段をふんだんに用いるのだけれど、その対象と切り口は無限に存在するのであって、あるテーゼに対して絶妙な「比較のレシピ」を提示してくれる見田社会学は、そのテーゼを超えた何かを常に訴えかけてくる。後半の小阪修平との対談にあった「ニヒリズムとエゴイズムの問題が納得できたら学問なんかやめてもいい」という告白が、その「何か」に相当しているのだろうか、とふと思った。2012/04/01

ゆうき

2
自明性の罠から抜け出すことで今ある日常を俯瞰し、他の社会との比較が可能になる。比較をするということは私のいる常識から離れることから始まる。2014/12/03

朝野まど

2
「僕は勉強は嫌いだし、得意でもない。けれども、社会学だけはしっかりとやっておこう。」。そう思い、社会学を学ぶうえで師としたのが見田先生だった。統計データ、歴史、数字、そういった固く、色気のない言葉を見田先生は潤いに充ちた言葉へとかえる。彼の文章は学術的であり、それでいて生の叫び声である。強い意志をもって綴られている彼の文章を身体に入れていくと、不思議と励まされているような気になるのだ。2012/11/27

いまにえる

0
主に現代社会への批判が根底にある著作が集められた。石牟礼道子から広がった文で、『自分にとって切実なリアリティをもっていることばが、相手にとっては空疎な「ことばでしかない」ということは、恐ろしい体験ですね。』と書いてあるのは本当にそうであると感じた。序盤の花を折る/折らないの差異や孤独、悪意、制度などについての考えはどれもハッとさせられる。見田さんの文章は語彙はすごい複雑なんだけど普段私もなんとなく思っていることを透徹した考えで言語化している気がして感動する。2018/03/27

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