定本 見田宗介著作集〈1〉現代社会の理論

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000284813
  • NDC分類 361.08
  • Cコード C0336

出版社内容情報

すでに古典となった名著に、最新データと新たな考察を増補し、新展開への構想を示す論考を加えた決定版。「光」と「闇」に彩られた現代社会の基本構造をつかみだす統合的な理論が打ち立てられる。収録作品:『現代社会の理論』[増補版]、「現代社会はどこに向かうか」

内容説明

「見田社会学」と称される独自の世界を創造した著者が、自身の全仕事を振り返り、重要な作品だけを精選してその精髄を体系的に示す。統計資料などは最新データに更新、テクストに改訂を加えた上、「定本解題」を収録する、初にして待望の決定版著作集。

目次

現代社会の理論 増補版―情報化・消費化社会の現在と未来(情報化/消費化社会の展開―自立システムの形成;環境の臨界/資源の臨界―現代社会の「限界問題」1;南の貧困/北の貧困―現代社会の「限界問題」2;情報化/消費化社会の転回―自立システムの透徹)
現代社会はどこに向かうか(未来の消失。現代の矛盾;生命曲線。歴史曲線 「現代」とはどういう時代か;脱高度成長期の精神変容 近代の矛盾の「解凍」;グローバル・システムの危機。あるいは球の幾何学 情報化/消費化社会の臨界;世界の無限。世界の有限)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たばかる

16
後年『自我の起源』や『時間~』の合間に書かれた。消費社会の自由、モノに魅惑される幸福の価値を示し、それを抑制するのではない形での資本主義問題の解決を探る。さすがにマルクスを踏まえた社会学者であるだけあって、人間の根源的な価値に焦点を当てて、過剰な物質的な成長がなくても幸せを追求できるはずでは、と投げかける。/本年4月初見田宗介没ということで、大学内で読書会を作て、議論した。原本出てから30年たって、問題のほぼ何も解決していない今の有様じゃあ、希望は遠いのかもね。2022/05/08

Shin

8
現代は消費社会である。というより、消費が自己目的化することを可能にした「消費化/情報化社会」であり、その帰結として無限の包容力を要求する外部性に対し、私達が暮らす地球は哀れなほどに有限である。つまりこの社会はサステイナブルではないということは皆が分かっているのだけれど、ではどうすればそこから脱却できるのか、その糸口を掴めずに我々は途方に暮れている。著者はそれでも「マテリアルな消費に依存することのない知と感受性と魂の深度のごとき空間のひろがり」が存在するという。本書はその信念を高らかに宣言する福音の書だ。2012/03/30

イボンヌ

5
講義を受けてみたかったです。常に満席だったそうですね。 井上陽水さんの歌詞を引用して、消費社会に絡めて論考されている箇所がありました。 2022/05/22

ぽん教授(非実在系)

4
物質的・資源的限界より経済成長にはおのずと限界が生じることから必然的にシステム的に南北格差をはじめとする諸問題が発生する。今後情報化と消費社会化がますます同時進行で進んでいき、この方向の在り方を考えていくしかないと著者は言う。元が『現代社会の理論』という90年代の論考であるためいささか楽観的な見通しも多く、デフレの恐ろしさについてにはあまり関心がないなど不満な点も多いが、結局情報化という結論自体はリーマンショックにも言及した追加文章にもある通り傾聴すべきであろう。2015/10/30

ぬにぇ

3
見田宗介の代表的著作、『現代社会の理論』(1966年)と、2009年に週刊朝日に寄せられた論考『現代社会はどこに向かうか』の二作が寄せられている。 この著作で述べられているのは、「現代社会には貧困、環境、格差等の問題があるということ。そしてそれは現代的な消費社会の帰結であるが、消費社会の原義と情報化社会の可能性を考えれば改善が可能なものであるということ」だ。消費社会の問題点を指摘しつつも、消費社会を根本的に覆すことなくより幸福で(他者収奪的でない)世界を実現できると述べている。 2024/04/27

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