内容説明
この日本において、外国語とは何であったのだろうか。外国語を学ぶ意味―それは実用性に還元されるものではない。世界標準を構成する実利主義・功利主義、言語の背後に隠された暴力性と権力性を越え、他者との相互承認に向けた、真の意味での翻訳の可能性を考える。外国語を学ぶことで切り拓かれる新たな地平の誘い。
目次
1 外国語と権力―外国語学はどのようにして生まれたか(欧米帝国主義と近代日本における外国語;「和魂洋才」―実用主義と権力 ほか)
2 言語というシステムを外部から見る―外国語学を学ぶ意味とは何か(言語は力なり;メディアとしての言語 ほか)
3 翻訳の倫理学―外国語学は社会の役に立つのか(ポスト・モダン社会;抗争する「島宇宙」 ほか)
4 異質な言語たちの未来―外国語と未来(他者の言語;言語自身の他者性 ほか)
5 「来たるべき言語」たちのために何を読むべきか
著者等紹介
藤本一勇[フジモトカズイサ]
1966年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。DEA(パリ高等社会科学研究院大学)。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。