出版社内容情報
広大無比を誇ったローマ帝国。そこではいなかる統治の実態があったのか。ローマ人自身、さらにその支配下に置かれた人々は、帝国の強大な力をどのように捉えていたのか。類書にない斬新な視点からローマ帝国の全体像を描きだす。
内容説明
冷酷で容赦ない征服活動から始まって、特権エリート層のいだいた皇帝像、広大な領土支配のシステム、ローマ人の生と死の実態、さらに20世紀に登場したローマ帝国イメージにいたるまで、類書にないユニークな角度からローマ帝国を照らし出し、その歴史像に迫る。
目次
1 征服
2 皇帝の権力
3 共犯
4 歴史をめぐる戦争
5 キリスト教徒をライオンに
6 ローマ人の生と死
7 ローマ再訪
著者等紹介
ケリー,クリストファー[ケリー,クリストファー][Kelly,Christopher]
1964年生まれ。専攻、ローマ帝国史(古代末期)。現在、ケンブリッジ大学古典学部上級講師、コーパス・クリスティ・カレッジ・フェロー
藤井崇[フジイタカシ]
1978年生まれ。専攻、ヘレニズム・ローム史。現在、チューリッヒ大学歴史学ゼミナール研究員
南川高志[ミナミカワタカシ]
1955年生まれ。専攻、ローマ帝国史(帝政期)。現在、京都大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Panzer Leader
15
200P足らずではあるけどポイントを絞った見方でローマ帝国の実態を解説してくれている。この手の本では黙殺される塩野の作品も言及され巻末の「ローマ帝国をもっと知るための読書案内」で様々な本が紹介され読書意欲が高まる。2016/02/10
陽香
2
201002182016/03/01
stuccohome
1
現在から見たローマ帝国イメージが固定され、面白みが少ないと著者は語る。ローマ帝国以後の帝国モデルとされ、軍事のみならず古代ギリシア以来の優れた文化を集約および拡散した点が興味深かった。全盛期が皇帝コンモドゥスが暗殺されるまでの200年間ということなので、その後の歴史も知りたい。2016/02/03
tnk
1
ローマ史をテーマごとに解説。闘技と闘技場の政治的意味、低寿命社会の実態など興味深い。2015/04/05
ziglar
1
ローマ帝国の実際の姿を、わかりやすくまとめてある。例えば、もし合衆国が、当時のローマと同じ割合で軍隊に人員を投入したなら、現在の10倍以上の規模の軍隊を持つことになるなど、直感的なイメージを膨らませられるような書き方をしている。2012/03/02