内容説明
日本の「近代」がもたらしたさまざまな矛盾は、感性や発想の次元にいたるまで、人びとの意識を奥深く規定していった。その規定性に立ち向かった人びとにとって、「近代」とは何であったのか。「個性」たちの希望の輝きを描くことで、「もうひとつの近代」の可能性を追求しつづける著者の論考を集成する。
目次
1 個性たちの国家構想(文明とはなにか 諭吉・兆民・蘇峰・雪嶺の思考から;ナショナリストたちの肖像陸羯南と三宅雪嶺;徳富猪一郎と大江義塾;馬場辰猪と公民意識;夏目漱石と明治国家;啄木における国家の問題;河上肇の明治末期;荒畑寒村と日本社会主義の青春;国家への照射)
2 歴史の中の個性たち(組みかえへの献身;対峙する想像力)