内容説明
人びとの救済への願望は、いかにしてデモクラシーに対する敵意へと転回していったのか。その崩壊に至る内的要因を照らし出した一連の論考と、制度化してゆく学問と果敢に対峙した「民間学」についての論考とを合わせて、著者の大正デモクラシー研究を集成する。
目次
1 大正デモクラシー 救済のゆくえ(二つの“改造”;創唱宗教の思想―大本教と“立替え立直し”への衝迫;青年団運動の思想―長野県上田・小県地域の青年たちと農村受難の想念;大衆文学の思想―中里介山と“大乗”の観念)
2 民間学―運動としての学問(民間学への途;民間学の諸相;民間学の発想)