目次
庭
時
ルネ
よそ者
海辺の町
挽歌
冥土の竹薮
“終わり”のある詩
二頁二行目から
時の名前
落下
無関係について
その日
DIRGE
キャベツの疲労
記念撮影
駄々
森の言葉
無名の娘
旅の朝
極めて主観的な香港の朝
雲の懐かしさ
ガヤの村でゴータマに
河原の小石
突き当たりの部屋
ミライノコドモ
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
80
あたりまえのことだけど詩は韻文、小説は散文で書かれている。韻文は日常生活の言葉ではないので主観的すぎたり、飛躍が多かったりして読みにくいことが多い。小説は日常の言葉(散文)で描かれているのでわかりやすく読みやすい。多くの現代詩は極端に韻文の要素が強すぎるものが多くて、多くの読者に敬遠されるようになってしまった。だからと言って小説の方が良いわけではなく、型にはまった表現や単に説明にしか過ぎない文章がまかり通っている。谷川さんは韻文の方に偏りすぎることなく、小説の散文的な親しみやすさを取り入れながら(続く)2013/07/24
あじ
39
次々にチャンネルが変わる。詩から発する周波数に私も同乗する。著者とは年齢差があるけれど、感じ入る部分は似たり寄ったりみたい。あとがきに『詩が好きな人は 日本語のグルメだ』。まさに手厚いフルコースを振る舞われた一冊。文字だけが浮かび上がる真っ白な純白の本。見た目は質素でも食欲を煽る。おかわりをしてもう一皿。ねだってもう一皿。結局三皿平らげました。ご馳走様でした。2013/07/16
Koning
27
谷川俊太郎最近の作品を集めた詩集.未発表分も含め散文でも心地よいリズムを刻むものもあれば深く言葉の意味を絵で見せる物までバラエティにとんでいる。表題作は前者の代表と言うか、バカハカカッタの世界とでもいう作品だが意味に捉えられるとヤバい。なんだかんだでやっぱり凄いわ。という作品.あとがきで詩は美味しいか不味いかでとか書いてるのだが私にはこのシェフの味はたまらなく美味しく感じられる。2013/07/28
まりこ
21
今読んでいる✳︎向田邦子✳︎のエッセイに谷川俊太郎の名前が出て来て驚いていた所に図書館で目に止まる。物語には終わりがあるが詩には終わりはない。突き当たりの部屋が好き。2017/06/13
アヤ姉
19
本を選ぶとき、あとがきから惹かれることがある。「詩が好きな人は日本語のグルメだ」「詩を美味しいか不味いかで判断する」ー目からウロコ。どの詩を心の栄養にするかは、自分が決めるものだという言葉に肩の力が抜けた気がする。谷川さんの詩は会話のような、物語のような雰囲気がある。それでいて鋭いパンチがくることもある。〈黙って存在するだけで世界は満ちる 人間がいてもいなくてもー河原の小石〉「時」「キャベツの疲労」「森の言葉」も良かった。谷川さんの静かな声で朗読したのもいいだろうなあ。聴いてみたい。2015/09/18