出版社内容情報
面白すぎて大絶賛のあの本も、忘れてはならないことが詰まったこの本も……、本を読むってこんなにすてきなことだったんだ! 哲学的な文章や物語を通して、著者と一緒に「読むこと」を考える紙上レッスンも付けました。
目次
1 もっと広く!―小説もある、哲学書もある、マンガもある(書評という小さな世界;大人のファンタジー;辞書には何が書いてあるか)
2 もっと深く!―新しい世界が広がる(『英単語の世界』(寺澤盾)を読む
『子どもの難問』を読む
「土神ときつね」(宮澤賢治)を読む)
著者等紹介
野矢茂樹[ノヤシゲキ]
1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授などを経て、立正大学文学部哲学科教授。専攻は哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
64
最後の章+数章のみ読了。本日はそれだけで、満ち足りました。残りは、おいおい気が向いた時に読むことにします。最後の章のタイトルは「「土神ときつね」(宮沢賢治)を読む」でした。「土神ときつね」は、つい最近読んだところだったので、この本を開いた偶然に本当に驚きました。私が本を選んだのではなく、本が私を引き寄せたのではないだろうかとさえ思える程に。ところで、最後の章の内容は「土神ときつね」の読み方の授業です。野矢先生の国語の授業のおかげで、小説の読み方がよくわかりました。さて、そろそろ小説も読もうかな。2019/11/16
モリー
61
再読&娘と供読。前回は宮澤賢治の「土神と狐」の読み方の授業を受けるつもりで最後の章だけ読みまし。今回は読み友さんのお勧めで通読。中学生の娘には「最後の章だけでも読んでみてと」言って手渡しました。感想を尋ねると、「最後の章の手前まで読んだ。でも、いい本だね。」とのこと。最後の章が最も読んでほしい部分だったのですが…。しかし、娘は、「『空が青いから白をえらんだのです』って本を読んでみたくなった。」とも。それは、本書の4頁目に紹介されている本でした。娘は最初の数頁しか読んでいないのかも。親子だから仕方ないか。2020/02/24
マエダ
45
土地神と狐の考察が面白い。確かに小説で引っかかるところはあってもそのまま流してしまう勿体ない読み方をしているので。本の読み方から改めたい。2022/09/14
田氏
27
哲学はなにかと言われたら、これまで哲学と呼ばれてきた活動と、ある程度類似する活動としか言えない、と著者は言う。たぶん、読書とはなにかと聞いても、そんな感じの答えが返ってきそうな気がする。ならこの本はなにについて述べているのだ、なんて話にまで展開させるともう収集つかなくなるから、とにかくこの著者は読書と呼ばれてきた(中略)活動をとても丁寧にされている、そこまではまあ事実としてフィックスしていいんじゃないか。で、その活動から生まれたていねいなテキストを読んで、新しいものが得られて、とりあえず気分が良い私です。2020/07/16
あきあかね
26
哲学者野矢茂樹の書評集。自らが編者となった『子どもの難問』の本では、「ぼくはいつ大人になるの?」という問いに対する他の哲学者の回答をもとに思考を深めていく。自分以外の「かけがえのない何かを知ること」で子どもは大人になる。かけがえのなさの例として、ある人を容姿や有能さといった特徴ーその人以外にもその特徴をもった人が現れれば、別の人で代わりになるものーで好きなるのではなく、まさにその人がその人だからというただその一点だけで好きになったとき、それは「かけがえのない」人になるという。⇒2021/07/03