初期キリスト教の霊性―宣教・女性・異端

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  • サイズ B6判/ページ数 262,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234634
  • NDC分類 190.4
  • Cコード C0014

出版社内容情報

霊性の批判的考察と新訳聖書学
キリスト教の霊性を決定した歴史的ダイナミックスとは何か。帝国の支配や異端との対決が、根本教義に残した痕跡を諸文書に探る。女性の地位とグノーシス主義をめぐる葛藤・・・著者の「霊性」理解を結晶させた最新論集。

内容説明

なぜ、人間らしい生のあり方を阻むものに対する批判的精神を、キリスト教は衰微させたのか。その歴史的な転回点はどこにあったのか。霊性とは、神の霊に応答しつつ生きる人間の、社会的な次元を含むダイナミックな生のあり方を指す。この独自な霊性理解に立って、キリスト教成立期の知られざる諸相を追跡する。救済観と共同体意識の成立、信仰共同体における女性の位置づけ、正統と異端の葛藤―これらはいずれも著者の長年にわたる新約聖書学研究を導いた三つの指標であった。キリスト教の正負両面の歴史を、囚われることなく見定めるための視座を求めて、諸文書の海をわたった営みの到達点を示す最新論集。

目次

初期キリスト教における霊性と批判的精神―ルカ文書を中心に
1 宣教と救済(「小さくされた者たち」の共同体―原始キリスト教における「家の教会」と宣教;永遠の生命によせて―ルカ、ヨハネ、トマスを中心に;新約聖書における「聖餐」再考―批判に応えて)
2 女性と異端(使徒「ユニア(ス)」(ローマ人への手紙一六章7節)をめぐって
紀元後二世紀の女性宣教者像―『テクラ行伝』の場合、再考
『ユダの福音書』と『マリアによる福音書』―原始キリスト教におけるその位置づけ
イエスの『未知の言葉』に関する一考察―『トマスによる福音書』語録七七再考)
3 原始キリスト教史(最初期のキリスト教共同体;パレスティナから地中海世界へ;地中海世界の諸教会;初期カトリシズムの成立)

著者等紹介

荒井献[アライササグ]
1930年生まれ。専攻、新約聖書学。東京大学・恵泉女学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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