出版社内容情報
そもそも小説はいかにして「小説」となりうるのか.虚構世界がリアリティを獲得するためのよそおい=表現機構という見方を軸に,書き手と読み手との間にある暗黙のルールを分析し,その変遷を検討する刺激的な日本近代文学百数十年の歴史.言文一致の試みや自己表現の文体模索の足跡が,各作品の詳細な読み解きから浮かび上がる.
内容説明
小説が小説としてリアリティを獲得するためのよそおいを、表現機構としてあらためて問い直し、各小説の表現を詳細に読み解きながら、日本の近代小説の特質とその変遷を鮮やかに描き出す。
目次
はじめに―「表現機構」とは何か
第1部(「小説家」という機構;「言文一致」のよそおい;一人称の近代;「個人主義」という幻想 ほか)
第2部(森鴎外『舞姫』―“重霧の間”にあるもの;泉鏡花『高野聖』―三つの一人称;田山花袋『蒲団』―共犯する語り;森鴎外『雁』―ロマンの生成 ほか)
著者等紹介
安藤宏[アンドウヒロシ]
昭和33年、東京生まれ。昭和57年、東京大学文学部を卒業。昭和62年、同大学院人文科学研究科博士課程を中退。同文学部助手、上智大学文学部講師、助教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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