内容説明
ダーヴィンの進化論以来、ヒトと他の動物とが共通の祖先を分かち合うことは科学的な事実として了解されるようになった。では進化の歴史をどこまで遡れば、ヒトという定義を当てはめることができるのだろうか。どの特徴がヒトに特有のものと言えるのか。とくにヒトの特質とされる社会性は、化石として残ることがないだけに類推が難しい。霊長類学、人類遺伝学、先史人類学、生態人類学、認知心理学の最先端の成果を結集して、その問いに答え、現代のヒトの身体と心が抱えている過去の遺産を明らかにする。
目次
1 原初的人間とは何か
2 食から見たサルと類人猿の進化
3 類人猿との分岐点
4 類人猿と人類はどれほど近いか
5 座談 森林と狩猟生活はヒトに何をもたらしたか
6 道具と文化
7 心を読むこと、他者を操作すること
8 対談 性の進化―余剰な性行動と進化
9 ヒトの社会性とは何か
著者等紹介
山極寿一[ヤマギワジュイチ]
1952年生れ。京都大学大学院理学研究科教授。日本霊長類学会会長。専門=人類進化論。ゴリラやチンパンジーの野外研究に従事し、初期人類の生活様式や社会性の解明を目指す。自然保護運動でも国際的に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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