出版社内容情報
意味をめぐる考察はなぜ行き詰まる? 認知的視点から,人がどのように思考し,話し,世界を認識するかを解き明かす.
内容説明
思考を言葉で表現することも、言葉が表現する意味が他者に伝わることも、ありふれていて自明に思える。けれども意味は柔軟で、臨機応変で、ふつう考えられているよりずっと複雑なものだ。意味をめぐる従来の考察が行き詰まる理由をていねいに解きほぐし、認知的視点から、人がどのように思考し、話し、世界を認識するかを解き明かしていこう。そこから否応なしに出てくるのは、思考と意味の大部分は私たちには意識できないという奇妙で落ち着かない結論だ。そう、私たちが合理的思考として意識的に経験しているのは、脳の中で起きていることをおぼろげに映し出したものにすぎない。
目次
第1部 言語、言葉、意味(思考と意味の取扱いガイドが必要なわけ;言語とは何か ほか)
第2部 意識と知覚(思考するとはどういうことか;“意味の無意識仮説”を検証するいくつかの現象 ほか)
第3部 指示と真理(世界について語るために言語をどう使うのか;会話における指示の食い違い ほか)
第4部 理性と直観(合理的に考えているとはどのようなことか;合理的思考を私たちはどのくらい実際に行っているのか ほか)
著者等紹介
ジャッケンドフ,レイ[ジャッケンドフ,レイ] [Jackendoff,Ray]
1945年生まれ。1969年マサチューセッツ工科大学(MIT)でPh.D.(言語学)取得。1971‐2006年ブランダイス大学言語学教授、2005‐17年タフツ大学哲学教授(Seth Merrin Professor)。現在はタフツ大学とブランダイス大学の名誉教授。自然言語の意味のシステムと、それが人間の概念システムとどう関わっているか、それが言語でどう表現されるかを主として研究。クラシック音楽のクラリネット奏者でもあり、ボストン界隈で演奏活動をし、音楽認知理論の研究も行う。2003年にジャン・ニコ賞、2014年にデイヴィッド・ラメルハート賞を受賞
大堀壽夫[オオホリトシオ]
1992年カリフォルニア大学バークレー校でPh.D.(言語学)取得。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。専門は意味論、機能的類型論
貝森有祐[カイモリユウスケ]
現在、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士後期課程に在籍。専門は認知言語学
山泉実[ヤマイズミミノル]
2010年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。現在、大阪大学大学院言語文化研究科日本語・日本文化専攻専任講師。専門は語用論、意味論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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