内容説明
闇から光へ、冬から夏へ。1999年の癒しの物語。吉本ばなな待望の最新作は、ダブル・フィーチャー・ストーリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
52
2つ短編のテーマは、どちらも、大切な人を亡くした喪失感。共感を持てたのは、「ハードラック」の方でした。 2023/05/31
さっとる◎
35
時間が、行ってしまう。行ってしまった。来てしまう。流されていく。そんなどうしようもない渦の中で信じられないことに無造作にいられた時が、あったような。でも時間は、行ってしまう。夜が長すぎても、冬が長すぎても、それはいつか終わるし、光が満ちていても、突然に雷雨がやってくる。終わらなければいいのにと思う夜があって、終わらない暗闇がもう嫌で泣きたい夜もある。それでも朝はやってくる。黒には何も塗れないと思っていたのに、白い光が黒さを染めていくこと。それがかなしくて、嬉しくて、切なくて、幸せで。そんなふうに、時間は。2019/10/05
あんこ
27
おそらく一昔前に読んでいたら怖さを覚えたであろう「ハードボイルド」ですが、怖さよりも誰かの死をふと横に思い出した時の現実と切り離された時間の流れを思いました。短いので、不思議さについてはあまり多くのことは語られませんが、「ハードボイルド」「ハードラック」の2編共、優しいかんじがしました。完全に忘れられる哀しみはないけど、何かによって救われていくのだろうなあと思います。「ハードラック」の秋の燃えるような紅葉が印象的でした。2014/11/16
hitomi.s
10
再読。古くから持っているので、もうキレイでなくなった。ばななさんの本が好きなのは、スピリチュアルを傾倒している訳でもないのだけど、現実的な目の前の事だけでなく、縁とか見えないような何かってあるんだろうなと、思っているからかもしれない。あるといいな、かもしれない。甘やかし過ぎかもだけど、自分を大切にしたい。2019/05/04
kyoko
8
以前買って読んだ本を、何気なく再読。やっぱりいいな。ちょうど11月に読んだのも良かった!2015/11/20