内容説明
刻々と変化する現場の、今、ここで「何が重要か」を知るフロネーシス。それは知を固め、明示化しようとするテクネーを揺るがし、テクネーと絡み合い、「まだないやり方」を探り創る力である。真の専門家とは、未知の事態に自らをひらき、自ら破れ変容し、マニュアル通りにいかなくてもその場で即興的に対処できる人である。本書は、即興的な現場の判断と決断が求められる「医療・看護、福祉、教育、法律、経営」分野の専門的実践家に大きな示唆を与え、その専門家像の転換を迫るものとなろう。
目次
第1部 分ける知、分けない知(テクネーとフロネーシス;アリストテレス的図式の崩壊と近代;「もの」から「こと」へ―過渡期としての現代)
第2部 動く知―テクネーとフロネーシスのダイナミズム(「できる」と「わかる」;経験と慣れ―専門家の熟達;練習と即興―実践のダイナミズム)
著者等紹介
塚本明子[ツカモトアキコ]
東京大学教養学部教養学科イギリス分科卒業、同人文科学研究科比較文学比較文化、比較文化専攻博士課程修了。相模女子大学助教授。British Councilによってイギリス、オックスフォード大学留学、哲学博士(D.Phil)1985年。筑波大学現代語現代文化教授、東京大学教授、江戸川大学教授、ケンブリッジ大学客員教授を歴任。現在、大妻女子大学比較文化学部教授。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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