これでいいのか障害者自立支援法 〈2〉 - やどかりの里は訴える 労働支援の現場から 宗野政美

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これでいいのか障害者自立支援法 〈2〉 - やどかりの里は訴える 労働支援の現場から 宗野政美

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  • サイズ A5判/ページ数 134p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784946498886
  • NDC分類 369.27
  • Cコード C0036

出版社内容情報

がらがらっと音を立て,障害のある人への支援の仕組みが壊されていく.スクラップ アンド ビルドなのだそうだ.
 戦後,障害福祉を切り拓いてきた先達たちの運動や努力,実践の積み重ねの中で,障害福祉の水準は少しずつ向上し,今がある.もちろん,改善すべき点は多々あるだろう.人間が生きていて,つねにニーズは変わりゆくものであるのだから,さまざまな制度やサービスを見直し,改善していくことは重要だ.

 しかし,障害者自立支援法は財源問題に端を発し,なおかつ拙速に進み,その結果これまで培ってきたことをいとも簡単に壊そうとしている.障害福祉の現場では.この「法」から障害のある人たちをどう守るのか,大切に積み上げてきた活動をどう守るのか,そんなことを必死に考えざるを得ない状況が広がっている.また,施設や事業者は,どうしたら経営が成り立つのかを考えるあまり,経営中心の発想に陥りがちだ.
 こうした状況の中で,やどかり出版は,害者自立支援法をめぐる3冊の緊急出版を企画した.
 2冊目は障害のある人と職員が「協働」を意識してきた「労働現場」からの発信である.何を大切にしてきたのか,この法の下で障害のある人と職員が分断される危険性を意識しながら,何を守り,これからの地平をどう切り拓こうと考えているのか,実践に基づく提案を行っている.

緊急出版に寄せて  増田 一世

1.精神障害のある人の労働支援とは
やどかりの里の労働支援の実践から  宗野 政美
 はじめに
 1.「働く」ことについての考え方・取り組みの変遷 
  1)第1期 精神病院から地域へ 
    失われた生活を取りもどす 1970年~1974年
2)第2期 社会復帰=就労の反省期(存続の危機の中で)1975年~1977年
  3)第3期 メンバーと働く企業の立ち上げ 
    働くことの多様な価値 1978年~1989年
  4)第4期 作業所づくり 選べる作業所づくり
    1990年~1996年
  5)第5期 安心して働ける場づくり 1997年~
 2.「働く場」の現状と課題 
  1)組織の横断的な取り組み 
  2)課題と今後の取り組み 
 3.精神障害のある人にとって「働く」とは 
  1)労働と精神疾患の発症の関係 
  2)一般就労への思い,揺らぎ 

2.精神障害のある人の労働支援のポイントと課題 

小規模通所授産施設 食事サービスセンターまごころの現場から 
                       檜山うつぎ
 1.街の中の弁当屋 
  1)まごころの成り立ち 
  2)まごころの今 
 2.まごころでは働くことをどう考えてきたか 
  1)弁当屋として一人前の商品を 
  2)やりがいのある職種がいい 
  3)社会への貢献 
  4)調理ができるかよりも,調理を覚えたいと思えるか 
  5)1人1人が調理員としての責任を持つ
  6)その人の今持っている力を発揮できる 
  7)まごころで働くことが,その人の生活にプラスになる
  8)基本的な健康管理は自分で 
  病気・生活のことが相談できる場所を 
  9)人間的な成長を促される場 
 3.まごころでの労働支援で大切にしてきたもの 
  1)社会的に意義のある仕事の提供 
  2)1人1人に合った仕事の提供 
  3)疲れたら休んでもいい職場環境 
  4)仕事を覚えるまで質問してもいい職場環境 
  5)自分磨きの効用 
  6)仕事上で迷ったら相談できる職場環境 
  7)1人1人の目標に向けてともに考える
  8)自分に合った働き方を見つける場 
 4.障害者自立支援法のもとで何が変わるか
  1)利用料負担で毎日が赤字に 
  2)自己肯定感を奪い取る
  3)どうやって休養を保障するのか 
  4)労働力を提供し,さらに利用料負担 
  5)家族に迷惑がかかる 
  6)法定施設の無認可化
  7)事業経営に走る 
  おわりに 

通所授産施設 食事サービスセンターエンジュの現場から 
                      香野恵美子
 はじめに 
 1.概要 
  1)エンジュの活動理念と使命
  2)エンジュの1日 
 2.エンジュにおける労働支援 
  1)大切にしてきたこと 
  2)働く姿 
 3.地域で機能する働き場の展開
  1)お弁当利用者の状態調査から見えてきたこと 
  2)エンジュの実践から見えてきた労働を支えること

福祉工場 やどかり情報館の現場から     宗野 政美
 はじめに 
 1.福祉工場「やどかり情報館」の活動方針 
  1)健康を守って継続して働くこと 
  2)生活支援センターとの協力関係で,健康を守って働く
  3)仕事のプロフェッショナルを目指す 
  4)障害の体験をマイナスからプラスに転換する 
 2.やどかり情報館の活動から見えてきたこと 
  1)情報の共有化,決定の場への参画 
  2)学習の場を多様に作り出すこと 
  3)労働の中で成長する人々 
  4)マイナスからプラスへ
  5)健康を守って働く場の提供 
  6)所得保障 
 3.精神障害のある人の雇用の拡大に向けて
  1)自分自身を客観化する機会の必要性 
  2)職業訓練や再教育の機会の創出 
  3)精神障害についての理解を広げる 
  4)職場の環境整備を進める
 おわりに 

3.「訓練」で障害者が「もっと働ける社会」になるのか 
                      香野恵美子
 はじめに  
 1.自立支援法の特徴 
  1)「改革」のポイント:お金を払って働かせてもらう 
  2)福祉は買うもの≠いのちや暮らしを守る 
  3)働き,稼げるように:人生の主人公はだれか 
  4)市場主義と規制緩和≠安心の確保,支援環境の確保
  5)人権が守られるのか≠恐ろしい国家権力の介入 
 2.応益負担がもたらすもの 
  1)いつでも有料トイレ 
  2)俺たちはサービス提供者
  3)自立妨げ法 
  4)分断の構造  
  5)生存の危機  
 3.「メジャーリーグへ」の思想に対峙して 
  1)「訓練」して働けるように
   ≠働きながら学び,力をつけていく 
  2)日中活動しなきゃだめ? 
  3)選択することを奪い,健康さえも脅かす危険 
  4)選別・固定化 
  5)「働きたい」思いを支える豊かさとは 
 5.精神障害のある人たちの姿はどこに
  1)働ける≠所得保障にならない 
  2)利用実績払い(日払い方式)ではたちゆかない 
 6.押し寄せる波  
  1)削減の一途  
  2)地域活動支援センターに見る制度のずさんさ 
  3)激変 
 7.病院の敷地内で就労移行? 
 8.施行前のどたばたの中で 
  1)自立支援医療申請に見る法のずさんさ
  2)煩雑さにまぎれる権利侵害 
 9.いま,現場で起きていること
 10.危機が現実のものに

4.将来を見据えて,どう活動を切り拓くのか
                       増田 一世
 1.「応益負担」の撤廃に向けた運動 
  1)この法の姿を直視し,
    この法の問題点をともに働く人々と共有すること 
  2)この法による影響を捕捉すること 
  3)その影響を最小に食い止めること 
  4)法による影響を社会問題化すること 
  5)問題を共有する仲間を広げること 
 2.この機会に活動を見直す 
  1)私たちが大切にしてきたことは何だったのか 
  2)私たちに不足していたことは何だったのか 
 3.どう対策を立てるのか 
  1)障害のある人の実態・ニーズを掴み,
    移行調査,そして障害福祉計画へ 
  2)新事業体系をにらんで一般労移行支援を考える 
  3)新事業体系をにらんで一般労継続支援を考える
  4)真に必要な労働支援とは 
 3.キーワーズは地域
  1)わが施設,わが組織の意識からの脱却
  2)地域に必要とされる活動を展開する 
  3)私たちの活動と地域づくり 

おわりに                  香野恵美子