内容説明
暮れかけた山脈に向かう列車の、黄色い車内灯のつらなり。操車場に響く、車輪点検のハンマー音。午後の駅の無人の待合室。打ち水した駅前広場。線路のそばに咲く赤い野花。鉄道を愛するすべての人に贈るピクチャーブック。
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
昭和24年新潟生まれ。上智大学外国学部中退。神戸女学院大学特別客員教授。主な著書に、『海峡を越えたホームラン』(第七回講談社ノンフィクション賞)、『「坊っちゃん」の時代』(共著/第二回手塚治虫文化賞)、『昭和が明るかった頃』(第十九回講談社エッセイ賞)など。平成13年に第四回司馬遼太郎賞受賞
矢吹申彦[ヤブキノブヒコ]
昭和19年東京生まれ。昭和42年に桑沢デザイン研究所を抹籍後、フリーのグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活動を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
57
関川さんには旅行記の著作が多いという印象があるが、この本はその心情の原点を見せてくれているようだ。純粋な鉄道・汽車へのノスタルジー。矢吹さんのイラストがまた美しい絵本。たそがれの中を行く蒸気機関車の姿が実にいい。一転して海外はリスボンの路面電車。海外の路面電車なら一度でいいからリスボンと香港の電車に乗りたい。「窓から大西洋が見える」とは最高だ。電気機関車の追憶はEF11。これはちょっと珍しい。この前TVで見たアンデスを走る列車も。カバーを外した本体の裏表紙まで続くイラストも楽しい。2020/07/16