ニーズ・オブ・ストレンジャーズ

ニーズ・オブ・ストレンジャーズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 263,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784938662363
  • NDC分類 304
  • Cコード C3031

内容説明

「権利が満たされているにもかかわらず、魂は恥辱にまみれている」人びとがいるのはなぜか?人には、愛情と尊敬をもって遇されたいというニーズがあり、また精神的慰謝や帰属感に対するニーズもあるが、それらは単なる「権利」によって満たされるものではない。「見知らぬ他人」のそういったニーズに応えること、それは「役所の仕事」なのだろうか?著者は、聖アウグスティヌスからルソーにいたる人間的ニーズの変容をめぐるヨーロッパ精神史の再解釈をとおして、福祉国家において人びとが品位をもって「共に生きる」ための条件を浮き彫りにする。市場教の神官サッチャーによる改革がもたらした荒涼たる英国社会の風景の中で、しかも「頑固にリベラル」をつらぬきながら。

目次

はじめに 悲劇とユートピア
第1章 自然的なものと社会的なもの―リア王
第2章 肉と霊―アウグスティヌス、ボッシュ、エラスムス、パスカル
第3章 形而上学と市場―ヒュームとボズウェル
第4章 市場と共和国―スミスとルソー
おわりに 故郷喪失と帰属

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

7
「マルクス…世界革命のビジョンは政治経済学と危機の理論から誇張もなにもなく帰結する、理論的不可避性に根ざしているとかれがどれほど力説したとしても、結局のところは黙示録の宗教的イメージに暗黙のうちに依拠した歴史からの救済という幻想でしかないのだ。百年の後に、この歴史からの解放というビジョンに鼓舞されて革命を起こした社会は、われらが時代のディストピアとなってしまった。…財産所有への入口での差別にもとづく階級対立を消滅させたにもかかわらず、これらの社会は国家権力への入口での差別にもとづく階級対立を再生産した。」2019/01/19

mackane

1
「見えない」人たちのニーズ。思いも至らない思考の外側にいかに目を向けるか。他者への想像力はどうやって持つことができるのか。また、どこまでもつことができるか。社会的生き物としての人間の永遠の課題。

抹茶ケーキ

0
「ニーズ」という言葉がどのような意味を持ってきたのかを文学作品(リア王、アウグスティヌスなど)の読解を通じて明らかにしようという試み。ニーズは単に身体的欲求に限定されるだけではなく、尊厳、帰属などより心理的な要素を含んでもいる。そのような心理的なニーズは顧みられることが少ないが、近代社会においてそれらのニーズの重要性は高まりつつある。みたいな話かと思ったけど、どうもよく理解できなかった。2016/08/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/522366
  • ご注意事項