内容説明
史上初のエコロジストであり、ブローデルら「アナール派」に最も大きな影響を与えた大歴史家が、「歴史」と「自然」の仲介者としての「女」を物語った問題作初の完訳。
目次
第1部 教育について
第2部 結婚における女性
第3部 社会における女性
ミシュレの覚え書き―訳者解説・ミシュレの生涯と思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
9
歴史的史料としては面白い。都市で女性が不幸になるのは(労働者女性、女中、娼婦など念頭)一重に、夫と子供がいないから。結婚と家庭の擁護。女は男の熱、思想によって育てられ、高められ、気がつけば夫よりも高みにいる、それが良い夫婦だという、当時としては女性崇拝者であると同時に、現代ではガチガチの保守派が好んで言いそうなことが中心。女は不完全であり(すべてを作り、与えてくれる男を尊敬)、男も不完全である(喜びを与える女を賛美、尊敬)。「女は、創造する男を創造する」。しかし彼は女性は影響を受けることしかない説には反対2020/09/13