Bourdieu library<br> ディスタンクシオン―社会的判断力批判〈1〉

Bourdieu library
ディスタンクシオン―社会的判断力批判〈1〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 501p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784938661052
  • NDC分類 361
  • Cコード C1030

内容説明

絵画、音楽、映画、読書、部屋、料理、服装、レジャー、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚…。毎日の暮らしの理屈ではない行為の中の見えない権力・階級化原理を独自の概念で鋭く緻密に分析する今世紀人文・社会科学、最高の成果。

目次

第1部 趣味判断の社会的批判(文化貴族の肩書と血統)
第2部 慣習行動のエコノミー(社会空間とその変貌;ハビトゥスと生活式空間;場の力学)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

41
「文化資本」というように、マルクスの議論において上部構造とされたはずのものがじつは階級をつくっており、教育によって埋まるどころか階級差が再生産されているという指摘は鋭いです。前半は音楽家の名前や絵に表象されたものが調査されていますが、後半になると食事、被服、スポーツとむしろ我々の食いつきが良さそうなことまで論じられています。例えばフィットネスについての意識は食事、被服、スポーツの全てに係っているといえるでしょう。ファーストフードばかり食べていて太っているというのは単にだらしない、お金がないというだけではな2020/12/13

きいち

20
うっわ、ブルデュー、性格わっるぅ。音楽や食事といった「趣味」の領域で、成り上がりのフォロワーぶりや没落貴族の自己防衛はもちろん、庶民の愚かさ上流の思い上がり、その他経済力・学歴・文化資本社会関係資本ありかたごとに細分化して各カテゴリーまんべんなく「罵しられる」から、ほぼ読者全員敵…。でもこれ確実に、吐いたツバ、思い切り自分にもかかってるよね、なんて露悪的な。◇静的な記述じゃなくカテゴリー相互の闘争として動的に書かれるので理解できてるか不安だけど、批判の矛先はこの差別化の運動そのものだから仕方ない。2013/06/08

てれまこし

14
生まれや卑しくとも高貴な魂をもつ。ボロは着てても心は錦。意志の力、勉励刻苦でそうなる人も皆無ではないが、統計学上はそいうことにはならないらしい。親から受け継ぐ資本の量や種類(財力、学歴、教養)などによって人は外見のみならずその中身、趣味までも左右される。他人に押しつけられるだけではない。押しつけられたものを自分で愛するようになる。そして、自分のものでないものから距離を置こうとする。教養なんてものが定義しにくい曖昧なものなのは、上流が下層から自分を差別化するため。教養とは下層が容易に持てないものでしかない。2020/12/01

やまやま

13
それぞれの人の「趣味」は、その個人の出身社会及び体験してきた歴史に多く影響されるというふうに書いてしまうと、もうまとめとしては終わりなのですが、書中でもあるように自明に見えるその関連性を問うところに社会学の意義があるという主張は最近説得力を感じています。ところで、他の人間の生きざまの多くを知らないという前提の上で、自分の感性は自然に体得したというように自分が感じてしまうのは避けがたいですが、遺伝学等の実証研究は、階級形成の理論を生物学的な特徴からある程度説明できる状況を生んでいる気もします。2021/01/31

Toshiyuki S.

10
文化的再生産の文脈で引用されることが多いブルデューの議論だが、単に階層が高いほど高級な趣味・嗜好をもち、それが(資本として利用され)次世代の階層に転換されるといったことを主張しているのではない。何を高級や正統と見なすか自体が階級闘争の一形態で、そうした闘争があらゆる〈場〉に出現することで社会空間と生活様式空間が枠づけられている;そして、そうした闘争に参加し自身の位置を変化(よりよい場所へ移動)させようとする欲望を駆動力として、永遠の差異化過程ともいうべき階級闘争の構造が「再生産」されることになるのである。2013/03/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/115886
  • ご注意事項