内容説明
ヒトの生存のための基本的な手段である「狩猟」のいとなみや神と人間と自然の三項を祭祀の場で象徴的に関係づける「供犠」儀礼をとおして血と暴力をもふくむ人間と自然との本源的な関係を再検討する。
目次
1 文化としての殺生と狩猟(殺生罪業観の展開と狩猟・漁撈;殺生罪業観と草木成仏思想;日本中世狩猟文化史論序説;アイヌの狩猟文化―菅江真澄の日記を手がかりとして;なめとこ山の死の贈与)
2 供犠の論理と供犠の民俗(自然破壊と人身供犠;天津罪考―神話の中の供犠;人間鉄骨論;人柱の思想・序論―人を守り神にする方法;送り儀礼の民俗考古学―野生と合理性;首の贈与論―中国雲南省〓(わ)族の首狩り儀礼について
イスラムの犠牲祭と供犠獣)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シンリ
0
おもしろかった。確かに今まで「生贄・人身御供・人柱」を一緒くたにして考えてたな2014/06/05
ぺろり
0
「なめとこ山」の項が読みたくて手に取ったがこれは食い足りない印象。原田信男の稿は狩猟と肉食が禁忌となっていく過程が、素人にもとてもわかり易かった。同様に秦康之の稿も供犠の求められる背景がわかり易く論じられていて面白かった。それにしても、こんなにも肉好きの私たち。千年にわたる肉食禁忌があっさり破られたのは何故。2010/04/04
メルセ・ひすい
0
9. 12 日本書紀・・農耕とブタ食 農耕 肉食とクギ ヒトの生存のための基本的な手段である「狩猟」のいとなみや、神と人間と自然の三項を祭祀の場で象徴的に関係づける「供犠」儀礼をとおして、血と暴力をもふくむ人間と自然との本源的な関係を再検討する。2007/07/20