ウチナーンチュは何処へ―沖縄大論争

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ウチナーンチュは何処へ―沖縄大論争

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784916043351
  • NDC分類 302.199
  • Cコード C0036

出版社内容情報

下嶋哲朗さん・ノンフィクション作家(『週刊読書人』2000年3月3日付)評
沖縄問題に現れた革新の無策
 昨今沖縄はブームにある。そこで沖縄問題関係書が多量に新刊する。それぞれにすぐれてはいる。だがどれも再版はおぼつくまい。経済不況に日本人は沖縄問題どころじゃない、のだろうしブームの実態が知性とは無関係にあるからだ。それでも出版が相次ぐのは、沖縄問題は日本人の問題である、との冷静に沖縄を見つめる眼が編集者に定着した現れではないか。
 ……大田(前沖縄県知事)は既成革新に似ず、政策決定の選択肢を多く持った。自ら言う「非暴力、不服従の抵抗精神」だが、これが日本政府交渉にあたり相手を翻弄、勝ち点を多く得た。
 選択肢は多いから 失敗も当然ある。だが二者択一ではなく「現実のパワーポリティックの中では、ごねまくっている方がより現実的であり、相手の妥協を引き出せる」。『ウチナーンチュは何処へ』のインタビューイーの一人小熊英二は大田の方法をこう評価し、革新の未来を示唆する。有名無名16人のインタビュー構成による本書は、小熊を除きウチナーンチュ(沖縄人)である。沖縄の発言者は多彩である。ヤマトのどの一地方もこれほど多様な発

第一部 沖縄を平和な島に、日本に民主主義を
基地依存の経済から脱却し、自立する「平和な沖縄」を/大田昌秀(前沖縄県知事)
沖縄問題の解決は日本の民主化がカギです/山内徳信(元読谷村長)
97歳タンメーは琉球の風に生きる/大山朝常(元コザ市長)

第二部 沖縄のグランドデザインを考える
稲嶺県政は新たな同化主義だよ/新崎盛暉(沖縄大学教授)
日常の中に問題解決の仕組みをどうつくるか/高良倉吉(琉球大学教授)
経済振興だけが価値なのか/知花昌一(読谷村議・反戦地主)
ヤマトとウチナーのバリアフリーを/比嘉律子(本土で働くウチナーンチュ労働者)
「日本の中の沖縄」なのか/太田武二(命どぅ宝ネットワーク)
ヤマトの視点で考えている/上原成信(一坪反戦地主会関東ブロック代表)
「平和教育」への違和感/高村文子(那覇市中学校教員)
女たちの闘いがヤマト

 99年11月、沖縄の稲嶺県知事は、アメリカ軍・普天間基地の移設先を名護市辺野古地域とすると発表しました。名護市は、97年に住民投票がおこなわれ「基地NO」の結論を出しました。その民意は無視されています。
 名護市をはじめ沖縄の人々は、この県内移設に反対の声をあげています。しかし日本政府が、基地の見返りとして出資する地域振興策に経済的な望みをつなぐ声も聞かれます。そのいずれもが、深刻な不況の下にある沖縄で発せられている民衆の声だと思います。
 沖縄の独立・自治の主張、日本の「平和憲法」と沖縄の現実との齟齬を批判する声、「日本の中の沖縄」という視点で沖縄を豊にしていきたいという立場など、さまざまです。沖縄の論議は、沖縄と日本の関係を問い直すことを日本の私たちに迫っています。本書では90年代に知事を勤めた大田昌秀さんをはじめ、大学の研究者、沖縄のジャーナリスト、沖縄の自立・独立運動や反戦運動の活動家など、多分野の方が語ります。
 観光地である沖縄は、第二次世界大戦で住民の5人に1人が死亡した島でもあります。日本軍による集団自決の強要なども行われました。戦後、アメリカが沖縄を統治。72年「平和な本土への復帰」

内容説明

沖縄サミットには全世界が注目している。普天間基地の県内移設に揺れる沖縄。沖縄の未来をめぐって、ウチナーンチュ(沖縄の人)が大論争。

目次

第1部 沖縄を平和な島に、日本に民主主義を(基地依存の経済から脱却し、自立する「平和な沖縄」を;沖縄問題の解決は日本の民主化がカギです;九七歳タンメーは琉球の風に生きる)
第2部 沖縄のグランドデザインを考える(稲嶺県政は新たな同化主義だよ;日常の中に問題解決の仕組みをどうつくるか;経済振興だけが価値なのか ほか)
第3部 沖縄の自立・独立をなぜ主張するのか(琉球民族の“自立・独立”可能性;沖縄アイデンティティの行方;日本国憲法ではない沖縄の理念を ほか)