内容説明
「美」は心の栄養―世界的科学者による美術品、画家たちとの滋味溢れる交友録。
目次
ヒーリング・アートの先駆け
荻太郎先生からの贈りもの
温泉と窯巡り
海外の美術館巡り
忘れ得ぬ人々―王森然先生を巡って
山梨県立美術館の誕生秘話
片岡球子さんの思い出
海外で活躍する女子美大の卒業生たち
追憶の女流画家たち
彫刻家とのご縁―桑原巨守からジュリアーノ・ヴァンジまで
韮崎大村美術館誕生
多田美波先生との邂逅
亀高文子と朱葉(ポインセチア)
女流画家協会と三岸節子
森田元子と入江一子の生き方
思い出深い女流画家たち―嶋田しづ、郷倉和子、佐野ぬい
畏敬の堀文子と羽ばたく女子美大の若手作家たち
著者等紹介
大村智[オオムラサトシ]
山梨県生まれ(昭和10年)。東京理科大学大学院理学研究科修了(昭和38年)。山梨大学文学部教官助手(昭和38年)、社団法人北里研究所入所(昭和40年)、北里大学薬学部教授(昭和50年)、北里研究所理事・副所長(昭和59年)を経て同所長(平成2年~20年)。この間、北里大学北里生命科学研究所教授(平成13年~19年)、大学院感染制御科学府教授(平成14年~19年)、学校法人女子美術大学理事長(平成9年~15年、同年19~27年)を兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
5
著者は医学生理学の分野でノーベル賞を受賞され、研究の中で養われた微細な眼差しが美にも向けられており、作中での芸術作品に関する批評には確かな美学観があることを感じた。芸術にも造詣が深く、芸術は共有財産であるという認識から、私財を投じて美術館を設立し、人間にとっての豊かさにも貢献するだけでなく、様々な女性の芸術家を輩出することで、人材をも育てており、教育者としても鑑の存在である。作中に出てくる美術作品には惹かれるものが多く、まだ日本にはこんなにも美が溢れていたのだと嬉しくもなり、計画的に訪れていきたい。2020/01/15
Hiroki Nishizumi
3
先日山種美術館の記念行事で大村智翁の講演を聞いたので読んでみた。講演内容の大部分はこの本にも書かれていたが、ほのぼのとした聴いても読んでも良い話が多く楽しめた。2016/09/07
⇄
2
歴史的事実とアート的感想を丁寧な文章で綴られた本。多分、人間も好きなんだろうな。あたたかい気持ちになった。2023/09/27
ゆうゆう
2
旅のお供は温泉と美術館、のとおりに美術品を収集。すてきだ。全ては縁あって結ばれていくものなんだ。きっと顕微鏡とかで覗く細胞やら、なにやらも、とても美しいものなのでしょう。芸術の世界と共通するのではないのかしら。女子美出身で活躍するアーティストさんが多いのも、歴史ある学校なのも、無知でした。芸術作品を眺める時に意識してみるのも面白いかもしれない。鬼灯の冷徹の方も確か女子美出身ではないかしら?2016/06/06
Pan
2
ノーベル生理学・医学賞受賞を受賞し、かつ美術にも造詣が深く、集めた美術品を共有するため美術館を作ってしまう。そればかりでなく、美術を志す若者を支援する。そんな器の大きな大村さんの人となりが伺える本でした。本文中に出てきた女流作家さんの作品を見てみたいと思いました。2016/01/21