感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
3
スターリンによるイヴァン雷帝のプロパガンダ利用という刺激的なテーマ。とは言え、安易に二人の「暴君」を結びつけるのではなく、元々ソ連に存在した雷帝復権の伏線や、１９３０年代の緊迫した国際情勢が与えた影響なども綿密に分析していて好感が持てる。自国の歴史を政治利用すべく最善手を模索する権力者と、これを真に受けて右往左往する歴史家や芸術家たち。大変面白い内容ではあるのだが、スターリンのみならずイヴァン雷帝についてもある程度の知識がなければちょっと辛いかもしれない。2021/11/09
