感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
72
はじめて知るチェコ出身のコラージュ作家&詩人で資料的価値が高い。当初シュルレアリスムの影響があるが後は独自色が。また、脳出血になった後リハビリにより言語能力を回復、この経験からアート詩『痴愚なる者の書いた文字』を作る。その後の詩集はチェコにおいて庶民の言葉による口語表現を用いた新鮮な魅力にあふれ日常生活の単なる描写ではなく、日常の形而上学の表現であると高く評価されている。作品『カフカ』は白地に右半分に小さなkの文字が指数関数的に立ち上がる作品で、まるで左半分がカフカの生前で右半分が死後のように思えてくる。2020/07/23
全滅しました
1
具体詩作家とされているコラーシュが具体詩(そしてアッサンブラージュ)に辿り着くまでにたどった遍歴を示しながら、自分、モノ、他者の運命が多声的に交錯する空間=詩の構築という試みの特異性を描いていく。3部のコラージュ論に期待していたが教科書的なまとめを超えておらず残念(作品や記号を現働化させる前にクラウスやベンヤミン(他の章ではデリダやフーコー)に頼ってしまう傾向にややがっかり/詩の分析や史実のまとめが丹念かつ的確であるがゆえに一層がっかり)。とはいえコラージュを学ぶ人は一読の価値あり。2部の3、4章が白眉。2013/10/10