感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nightowl
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個人の歩みが裁判資料や伝記など公的なものに変わることによる差異を主に提示した戯曲集。三個人への銃撃について当人と撃った側との食い違いを暴く「デリーの名誉市民たち」自称治療師と妻と興行師の人間模様と帰郷を『藪の中』風に描く「フェイス・ヒーラー」ゲール語地名に英語地名を付けようとする将校とフリースクール生徒の恋「トランスレーションズ」歴史上人物の私的な想い「歴史を書くこと」アイルランドの歴史要素を含みながら人物像の掘り下げが上手く読ませる作家。「ルナサに踊る」などの家庭劇が未収録で残念。刊行を願う。2024/02/02