内容説明
AI化社会、テロ戦争、近代オリンピック、ポスト・ヒューマン―ちょっと待て、考え直せもう一度。デジタルトランスフォーメーションの波の中、人間がものを「考える」こと、哲学することの意味とは?現実世界の根本を正面から問い直す、すべてが新しい哲学入門書!
目次
第1章 「考える」ことを考える(「哲学的思考」とは何か;言葉から哲学へ;ソクラテスの墓標;哲学は「役に立つ」のか?;「日本語で考える」とは)
第2章 「考える」ことの実践/戦争とオリンピック(近代ヨーロッパ・アメリカの戦争;20世紀の世界戦争;神話の役割;新しい戦争;「文明」の構造;スポーツの中に生きる身体;「人間」の祭り)
第3章 総論/サイバー・レールのその先へ(「わたし」とは何か;哲学の近代~現代;「人間」が生き残るために)
著者等紹介
西谷修[ニシタニオサム]
哲学者。1950年生まれ。東京大学法学部卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。明治学院大学教授、東京外国語大学大学院教授、立教大学大学院特任教授を歴任したのち、東京外国語大学名誉教授、神戸市外国語大学客員教授。フランス文学、哲学の研究をはじめ幅広い分野での研究、思索活動で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ta_chanko
14
哲学とは、言葉を使って考えること。当然、地域や国によって言語が異なり、思考や哲学もその制約を受ける。日本は明治初期に大量の西洋語を漢字二字熟語に翻訳して採り入れ、近代化に成功?したが、かえって日本語だけで思考することが可能になり、日本的な偏見を助長することにもつながった。そうやって各国が無意識に独自の偏見を結集させていった結果が国民国家の形成であり、その対立が悲惨な戦争をもたらした。戦争も次から次へと形態を変え、国家間の戦争からテロとの戦いへ、さらには戦争の無人化へと非対称な形で進んでいる…。2021/04/16
Go Extreme
2
「考える」ことを考える:哲学的思考とは何か 言葉から哲学へ ソクラテスの墓標 哲学は役に立つのか 日本語で考えるとは 「考える」ことの実践/戦争とオリンピック:近代ヨーロッパ・アメリカの戦争 20世紀の世界戦争 神話の役割 新しい戦争 「文明」の構造 スポーツの中に生きる身体 人間の祭り 総論/サイバー・レールのその先へ:わたしとは何か 哲学の近代~現代 人間が生き残るために2021/03/04
宮崎太郎(たろう屋)
1
人間は考える生き物だ。その歴史で何を考えてきたか、一言で言えば殺し合いだ。それでも考えることを止めず、歴史から学び、生き残っていかなければならない。 簡潔ながらも歴史を短く紐解く言葉は鮮やかでした。最終章はもう一度ゆっくり読みたい。2021/05/08
pyidesu
0
現代の技術とコロナも見据えた「不死のワンダーランド」、ではあるが、主意はそんなに変わらない。2021/09/12