内容説明
日本大使が初めて明かした日韓外交戦の舞台裏。慰安婦像の設置と大統領の竹島上陸。在韓大使の苦悩と選択。
目次
序章 反日×嫌韓の背景を読む
第1章 日韓外交最前線~慰安婦と竹島の攻防
第2章 韓国人は日本の貢献を知らない
第3章 歴代大統領「反日」の系譜
第4章 韓流カルチャーと韓国人の素顔
終章 日韓に明るい未来はあるのか
著者等紹介
武藤正敏[ムトウマサトシ]
1948年生。東京都出身。横浜国立大学卒業後、外務省入省。韓国語研修の後、在大韓民国日本国大使館勤務。参事官、公使を歴任。前後してアジア局北東アジア課長、在オーストラリア日本大使館公使、在ホノルル総領事、在クウェート特命全権大使などを務めた後、2010年、在大韓民国特命全権大使に就任。2012年退任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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matsu04
22
著者は2012年まで韓国大使だった人物。在任中は、日韓関係が劇的に変化し両国の対立が激化していった時期に当たる。そうした事態を、この大使はこういうふうに考えていたのか、ふうむ…。拉致問題を含む日朝関係や日韓問題には、エリート外務官僚たちに重い責任があるのではないか?2015/11/30
金吾
20
読みやすい本でありますが、元韓国大使が書かれた本ですので期待値が高すぎたのか、内容的に第三章を除き新たに得られるものは少なく対策も平板的のように感じました。また日韓関係を考える度に朝日新聞や政治家の責任感の欠如を考えさせられますが、外交官たちにも責任はあるように感じました。2022/02/06
南北
10
元韓国大使の著者が日本と韓国が対立してきた真相について述べています。もともと韓国では親日と表明することは困難であり、歴代韓国大統領も親北朝鮮か親中国かの違いはあっても反日の立場は共通していること、韓国の外交官に日本通が少なくなったり、遠ざけられたりしていることが要因だとしています。対応策としては日本側が安易に譲歩するのではなく「事実」に基づいて主張していくことだということですが、一見民主主義国家のように見える韓国の中身は古代国家と共通する部分があることを考えるとかなり困難な道のりではないかと思います。2017/06/30
tak
9
ソロソロ、ナンとかならないのかな。ちょうど、濡れ衣を着せられたとする記者のポッドキャストを聞きながら読んだ。『ウソも百回言えば...』というのは、他人事ではないよね。2015/06/27
ばぶでん
8
元駐韓大使の著作。やはり抜本的な日韓関係改善は難しい。確かに安全保障等大局的観点からは朝鮮半島が中国勢力下に組み込まれるのを拱手すべきではないし、そのための外交努力にも頭が下がる。また、自分の僅かな経験からも韓国人個人個人は理性的で、反日で凝り固まっているわけでもない。しかし、集合体としての、そして公的な韓国の思考様式が強烈な反日なのは不変だろう。ゲーム理論的には、従来のように日本が一方的に協調姿勢のみ示すのではなく、相手が示すのと同程度の協調・裏切りで応じるしっぺ返し戦略をこれからとるべきではないか。2017/06/13