内容説明
書店に「ヘイト本」をあふれさせているのは誰か?業界内部から、あえて問う。出版の製造者責任を―本をつくる人へ、本を売る人へ、そして、本が好きな人へ。「思考停止」しないための一冊。
目次
ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会 趣旨文
第1章 現代の「八月三一日」に生きる私たち
第2章 書店員は「ヘイト本」をどう見ているのか?
第3章 出版業界の製造者責任
第4章 ヘイトスピーチと法規制
表現の自由と出版関係者の責任
人種差別禁止法とヘイトスピーチ規制の関係を考える
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カツイチ
10
本好きにとって書店は良識と知の森であってほしい。〇〇書店ともあろうものが!と叱った客がいたという。そういう客になりたい。2015/05/16
ERNESTO
8
売らんかなの書店や出版社が溢れているので、なし崩しになっているのかと思いきや、気概に溢れる提供者もまだまだ負けずに闘ってるのだと知り、自分も頑張らねばと、気合を入れさせられた。2015/02/17
オサム兄ぃ
8
30年も本造り周辺で禄を食む者として「このままでは日本社会が後戻りできないところへ行ってしまうのではないか。それに出版が加担することを看過していていいのか」の思いに共感する。今求められるのは思考停止に陥らず、メディアの「第四の権力」たる自覚と責任ある行動。差別や嘘が悪いぐらい小学生でも分かるのに、売れればいいと嘯く輩が大出版社で高い給与を得ている事実が情けない。報告と決意表明の本なので、一冊で現在の事態すべてを理解はできないが、矜持を持つ出版人が死に絶えていないことが分かり次の一歩を考える契機になる。2015/01/24
Mao
8
「嘘もくり返せば人々は信じる」という神原さんの言葉が印象的だった。商売として「売れる」物を扱わねばならないこと、そして「内容に嘘があるけれど売れる本」を作ったり売ったりすることへの葛藤。立ち向かおうとしている出版関係者がいることは希望である。2014/12/05
チェアー
7
ヘイトに加担しない、ということはどういうことなのだろう。 ヘイト発言をしない?それとも積極的にヘイト発言をする人を封圧すること? 本を読まないこと?買わないこと?出版を許さないこと? 加担しないという一言だけとってもさまざまな解釈がある。 それをそれぞれの場(出版に限らず)で自分なりに考えることが、まず加担しないための第一歩と思う。2021/03/05