内容説明
ネグリ、ランシエール、フーコーなど現代思想の最前線で、そして9.11、リーマンショック、世界各地の反乱、3.11などが生起するただなかで、生の最深部、“下部構造”からつむがれる政治哲学。『闘争の思考』以後20年にわたる闘争の軌跡。
目次
第1章 ネグリのほうへ―「真の政治は形而上学である」
第2章 様々なマルチチュード―「一」は割れずに緊張を生む
第3章 ヨーロッパという賭金―「主権」の上空と底で政治は闘われる
第4章 ランシエールの傍で―語る「私」をめぐって「階級闘争」がはじまる
第5章 フーコーとともに―反牧人革命は来るのか
第6章 日本のなかで―「1968」と「2011」を跨ぎ、「社会的なもの」に抗する
エピローグ 「国家の破滅は言葉遊びにすぎない」―マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督『フォンターナ広場:イタリアの陰謀』
著者等紹介
市田良彦[イチダヨシヒコ]
1957年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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想像力は存在論的にはあくまで存在の地平に内蔵しており、その理論はひとつの構成過程の理論としての存在論に対して二次的(32頁)。反グローバリゼーションとはアメリカの世界帝国化に対し、国民国家を金融資本の暴力に曝される南の国民国家を守る運動であるという帰結(67頁)。帝国は単独行動しない、あるいは単独行動しかしない。超国家性=世界性を帝国は本質的な特徴としている(74頁)。2000年代の論稿があるので、イラク戦争や非正規増加の新自由主義の時代的文脈に支配されている文体が確認された。 2014/08/25