内容説明
日本教を知ると日本がわかる。大ベストセラー『日本人とユダヤ人』を発展させた名著。日本の根深い混沌にメス。初の単行本化。
目次
第1章 日本人の「墓」と「霊」(ユダヤ人墓地の日本人;日本人にとって墓とは何か ほか)
第2章 自由とは借金だ(高意識人と低意識人がともに住む国;組合は資本主義翼賛会か ほか)
第3章 日本教の師と日本教徒(日本教に「ラビ」はいるか;神父でも司祭でもない一般人 ほか)
第4章 日本教と「空間」意識(同じようで全然違う;旧約聖書、タルムードと『方丈記』 ほか)
第5章 日本人の限定的普遍主義(何が書かれていないか、何を書けなかったか;道徳的全体主義的平等主義 ほか)
著者等紹介
山本七平[ヤマモトシチヘイ]
1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。1956年、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサンの『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。評論家。山本書店店主。1991年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梨音
1
日本人の特異な精神性についての評論のまとめ。山七を読んでいると、「やっぱり日本人は変なんじゃないか」という納得と、「自分自身も既にその特異な精神性にディファインされているのでは」という不安で妙な気分になる。2016/01/16
菅原 亮介
0
1970年代の雑誌向けの評論をまとめた本です。その時代の言論界の空気感や、山本七平の立ち位置を知らないと読むのが辛いと思います。私も少し読みすすめるのが辛かったです。いつの時代もこういう輩はいるな、と思った部分を抜粋します。P185「ある国際的な学生の会議で日本の学生が『平和憲法は人類の規範である』というようなことを言って、人びとを驚かせた。(中略)「平和憲法」という言葉を合衆国憲法なりドゴール憲法なりと入れかえてみればよい。(中略)「入れかえ」を内心で試みる相対主義的教養の欠如(以下略)」2013/07/10
岩巳岳雄(Takeo Iwami/leas201903)
0
ここ15年くらい、いわゆる日本人論を断続的に読んでいるのだけど、山本七平と土井健郎がやっぱり好き。 この本で「日本教」として語られるものは、新渡戸が「武士道」で「諸民族に与えられた旧約」と表現したものなのだろうか。そうすると、新渡戸は果たしてキリスト教徒だったのか、日本教徒だったのか。2020/01/14