内容説明
私たちはさまざまな社会的関係をもちながら暮らしています。魚類も、異性間はもちろん、同性間、親子間、ときには異種間においても、繁殖や餌や隠れ家などをめぐって、さまざまな社会的関係が生じています。このシリーズでは魚類の社会行動・社会関係の興味深いトピックスをとりあげ、進化生物学・行動生態学の視点から掘り下げて、詳しくかつわかりやすく解説しました。理論や事実を解説・紹介するだけではなく、研究プロセスについても、きっかけ・動機をはじめ、どんな苦労があったか、それをどう工夫して乗り越えたか、どんな思わぬ展開がみられたかなどを、臨場感たっぷりに書き込んであります。
目次
1 雄が小さいコリドラスとその奇妙な受精様式(研究材料アカコリ;いつ、どの雄が受精させるのか ほか)
2 カジカ類の繁殖行動と精子多型(ヨコスジカジカ―漁師の嫌われ者;精子の形はいろいろ ほか)
3 フナの有性・無性集団の共存(諏訪湖のフナ;有性生殖2倍のコスト ほか)
4 ホンソメワケベラの雌がハレムを離れるとき(性転換するさんぱつ屋;船越のホンソメワケベラの産卵時刻とハレム外産卵 ほか)
5 タカノハダイの重複なわばりと摂餌行動(研究準備;研究開始 ほか)