出版社内容情報
病床にあって校正しつづけ、その死後に刊行されたナウマンによる日本先史・古代学最後の大作。
「縄文人の宗教的思考」は「複雑な体系をした思考であり、人間の抱くあらゆる疑問のなかで最古の疑問、すなわち生と死、とくに未来の生に関する疑問を核心に据えていた」。
ナウマンが東の果ての列島の先史に見出したものは、「死を克服する試み」を「雛型」として表出した「先史宗教」の核であり、この列島の最古の層に、生と死に関わる人間の原初的な表象のありようを取り出すことで、現代においても変わらない人の営みの根源に触れつづけようとした。
●主な目次
概論
物質的背景―考古学上の遺物
精神世界―総論(狩猟および漁猟をめぐる信仰、埋葬と死者祭祀、土偶、土面ほか)
精神世界―イメージとシンボル(複合的意味をもつ土偶、涙や唾液、鼻水、生の水、蛇、酒、異なる両眼、三本指の手、蟇ないし蛙、朔の月、渦巻き)
精神世界―旧観念と新たな象徴(生の緒、輝き出る光、混淆した形態、死と甦り―新しい皮膚)
結語~先史宗教の断片
註/訳注/解説/索引
内容説明
ナウマン「先史・古代学」最後の達成。「生と死」の縄文=神話図像学。
目次
概論(先史日本の時代区分;人類学的視点)
物質的背景―考古学上の遺物(後期旧石器から縄文早期へ;縄文早期から前期へ ほか)
精神世界―総論(狩猟および漁撈をめぐる信仰;埋葬と死者祭祀 ほか)
精神世界―イメージとシンボル(一般的考察;象徴表現のはじめての徴候 ほか)
精神世界―旧観念と新たな象徴(生の緒;奇妙な被り物 ほか)
結語(先史宗教の断片)
著者等紹介
ナウマン,ネリー[ナウマン,ネリー][Naumann,Nelly]
1922‐2000。ウィーン大学で日本学・中国学・民族学を学ぶ。バーゼル公立銅版画美術館、バイエルン国立図書館を経てフライブルク大学教授
桧枝陽一郎[ヒエダヨウイチロウ]
1956年、福岡県生れ。立命館大学文学部教授。言語学専攻(ゲルマン語)。早稲田大学政治経済学部卒業、東京都立大学大学院独文学専攻修了。ドイツ・ブレーメン大学留学、デュイスブルク大学客員研究員、オランダ・グローニンゲン大学留学、玉川大学文学部助教授を経て現職
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