古ヨーロッパの神々 (新装版)

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古ヨーロッパの神々 (新装版)

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  • サイズ B5判/ページ数 321p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784905913627
  • NDC分類 230.2
  • Cコード C3020

出版社内容情報

古ヨーロッパ地域には三千あまりの遺跡があり、そこから三万体もの小像(粘土、大理石、骨、銅、黄金製)が出土しており、それを分析していくと、この社会が持っていた宗教観、神話的世界観がわかってきて、それが後のヨーロッパ文明にどのように伝わっていったかがわかる。それらの小像を分析したのが、『古ヨーロッパの神々』なのである.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』367頁、より)

ミノア文化・ギリシア文化の神々を育んだ新石器文化の中心《古ヨーロッパ》は、エーゲ海・バルカン半島からドナウ河中流域・アドリア海地方・モルダヴィアなどにあった。ヨーロッパ新石器時代の神話像を420点余におよぶ図版・写真で精細に描いた東欧考古学の 権威ギンブタスの主著完訳。収録された土偶(女神像や動物神像など)や土器図像は、縄文時代の土偶・土器図像を理解し、日本の新石器神話像を解読するにも不可欠の本となっている。

【主な目次】
第1章 文化的背景/第2章 図式主義/第3章 儀礼の衣裳/第4章 仮面/第5章 祭殿と小像の役割/第6章 宇宙生成論と宇宙論のイメージ/第7章 水の女王―〈鳥女神〉と〈蛇女神〉/第8章 生と死と再生の女神/第9章 多産女神と植物女神/第10章 イヤー・ゴット―蘇生を促す男神/結論 古ヨーロッパ文明の遺産/付 発掘地名とC14年代|挿図・写真カタログ|参考文献|業績目録|/解題:マリヤ・ギンブタスと東欧考古学(鶴岡真弓)/比較図像「〈古中国〉文化図像」 

マリヤ・ギンブタスは1921年リトアニア生まれ。1942年、リトアニアのヴィルニウス大学で修士号取得。46年、チュービンゲン大学で博士号取得。49年、ドイツからアメリカに渡り、1950-55年ハーバート大学で研鑽を積み、55-63年まで同大で特別研究員となり講師をつとめ、63年にカリフォルニア大学先史考古学教授に就任。傍らカリフォルニア大学ロサンゼルス校付属文化史博物館先史・古代考古学学芸員、スタンフォード大学付属高等研究所・オランダ高等研究所の特別研究員などを兼務、精力的な研究・執筆活動をつづけ、その業績は、東欧考古学およびインド=ヨーロッパ語族の原郷クルガン文化・考古学の権威として高い評価を受けている。1968年には、ロサンゼルス紙のウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれてもいる。1994年死去。

「ヨーロッパ文明のもととされるギリシア文明は突然に生まれたものではなく、この古ヨーロッパの新石器文明によってはぐくみ育てられたものなのである。…神格化された像のほとんど(九割以上)は、女神像であり、ギリシア神話のデメーテル、ペルセポネー、ヘカテーなどはこの時代にさかのぼることがわかっている。…図版がきわめて豊富。」(立花隆/週刊新潮「私の読書日記」 2001.2.8号)

「『古ヨーロッパの神々』は怠惰な知にはいささか衝撃的な書だ。…ギンブタスは、東ヨーロッパにおける最近の発掘の成果と、従来の層位学的アプローチに加えて、放射性炭素の測定による分析法と年輪年代学の援用による誤差の修正という年代測定の革新によって、『古ヨーロッパ』という文化複合の独自な存在を証明したのである。…なによりギンブタスの独創は、その根拠地としての『古ヨーロッパ』を、単に旧石器の後期とプレ・インド=ヨーロッパ文化との間に介在した文化とせずに、両者の世界構造の解読にも新たな意味を投ずるきわめてポジティブな文化複合として捉えたところにある。」(前田耕作/図書新聞 1989.3.18号)

「私たち日本人にも大きな刺激となるのは、ギンブタス女史の駆使している方法論が、日本文化の古層をなし、独自な造形世界を持つ縄文文化の遺物の解釈の手引きとなっている点である。」(永沢峻「ビーナスの起源求めて」/共同通信 1989.3.)

「たしかに、それら女神像がもつコンテキストの広範さと密度とは圧倒的だ。読み取りかたも安定している。ただし、この神像の多様性から、ただちに古ヨーロッパを母権社会と解釈するさいの性急さは、いかがなものであろうか。」(樺山紘一/『朝日ジャーナル』1989.3.31号)

内容説明

「古ヨーロッパ」とは、紀元前6500年から3500年頃までエーゲ海・バルカン半島からドナウ河中流域・アドリア海地方・モルダヴィアにかけて、ミノア文化に先行して繁栄した新石器時代、初期農耕文化の世界を指したものである。東欧考古学の権威マリヤ・ギンブタスは、「古ヨーロッパ」こそミノア文化やギリシア文化の神々たちを育んだヨーロッパの原郷ともいうべき文化であったと主張する。本書は、この文化が「大女神のシンボリズム」とでも呼ぶべき世界像を持つものであったことを数多くの図版をあげ、その図像解釈によって語ってくれる。写真・図版とその詳細な解説、発掘地名とC14年代など考古学術的記述が克明に提示されており、本書によってはじめてヨーロッパの古文化像について新しい認識を得ることができるとともに、この文化像が日本列島の縄文文化像ときわだってパラレルな関係にあることに気づく。なお新装版にあたって、〈古ヨーロッパ〉と比較対照できるような「古中国」文化の図像を巻末に収録した。

目次

第1章 文化的背景
第2章 図式主義
第3章 儀礼の衣装
第4章 仮面
第5章 祭殿と小像の役割
第6章 宇宙生成論と宇宙論のイメージ
第7章 水の女王―「鳥女神」と「蛇女神」
第8章 生と死と再生の女神
第9章 多産女神と植物女神
第10章 イヤー・ゴッド―蘇生を促す男神

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

1
母系制社会2016/12/18

不以

1
序盤の地域・時代の定義は門外漢なので流石に退屈だった。しかし、その後の図形の象徴性やら呪術性にガンガン突っ込んでいく記述はめちゃくちゃ良い。読んでるうちに、なんというか漫画やらなんやらに描写される魔女像にも古代の息吹を見い出してしまい楽しい。抽象化と簡略化を極めたあの古代の造形は、数式に抽象化された現代物理法則の記述と合い通じるものがあるのかもしれない、とか思ったりもする。2014/10/30

catfist

0
カンピオーネ!生と死を司る「大地母神」を家父長制社会を象徴する「鋼の英雄」が征服したとする某ライトノベルの世界観はまさにギンブタスのそれだ。ギリシア以前、すなわち文献史料以前のヨーロッパ世界における神々の姿を膨大な図像とその解説によって描き出そうとする。ギリシア以来世界史を席巻する家父長制への憎悪と「あるべき」母権社会への憧憬は読者にとって危険だが、現代の世界観=先入観を打破しようとする考古学的情熱には圧倒される。2020/11/01

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