内容説明
何が人々を「ヤマギシ」に惹きつけたのか?共同体「ヤマギシ会」の研究を長年のフィールド・ワークとする著者が、参画者へのアンケートや実地調査などを通じて、同会の特長と時代による変質を解説。戦後の変わりゆく「家族」と日本人の心を、社会学的・心理学的に考究した書!共同体研究、社会学研究等に必携の書。
目次
研究の視座と方法
第1部 共同体文化の位相(共同体文化論;現代型共同体誕生の契機)
第2部 共同体「ヤマギシ会」の分析(「ヤマギシ会」の発生と実態;「ヤマギシ会」の周辺―調査分析)
第3部 結び
共同体「ヤマギシ会」にみる現代日本文化の位相
著者等紹介
黒田宣代[クロダノブヨ]
宮崎県出身。1996年、鳴門教育大学大学院修了(教育学修士)。北九州市立大学、立命館アジア太平洋大学の兼任講師。専門は社会学(文化政策・異文化コミュニケーション)。長崎県で夫と二人暮らし(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミヤ
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ヤマギシ会は戦後近代化する日本の中で理想郷たり得るのか、脱会者やセミナー参加者のアンケートも踏まえた非常に興味深い内容でした。 学生運動の流れを汲んだカウンターカルチャー的な意味合いで、バブル期はプリミティブな感性に立ち返るべく、そしてバブル後は欧米化によって希薄化する家族や土着を求める意味合いで、とそれぞれの時代に求められてきたヤマギシ会だが、その実態は資産を持たないことによる平等という観念からも乖離していることが否めない。正直入会は本人の自由だがもしも子供がその割を喰うようなことがあれば哀しいと思う。2022/06/14