内容説明
時代が危機的様相を呈するたびにより深く広く読みこまれてきたドストエフスキイの作品世界を、本国ロシアでもヨーロッパでも高く評価される日本のドストエフスキイ研究者が、聖書の世界から今日の日本社会まで広範に切り結びながら対話を繰り広げる、新しい視点にみちあふれた刺激的論集。
目次
第1部 聖書と語らう(イメージとシンボルから読む『罪と罰』;聖書劇としての『白痴』 ほか)
第2部 ロシアと語らう(大地‐聖母‐ソフィア;ドストエフスキイとピョートル大帝 ほか)
第3部 ヨーロッパと語らう(ドストエフスキイとシラー―問題設定のために;ドストエフスキイとナポレオン―十九世紀ロシア思潮のなかで ほか)
第4部 ドストエフスキイと語らう(ロシア・シンボリストにおけるドストエフスキイ像;ポリフォニイ小説論の成立―イワーノフ‐プンピャンスキイ‐バフチン ほか)
第5部 アジアでの語らい(『レ・ミゼラブル』『罪と罰』『破戒』;『罪と罰』と二十世紀後半の日本―表現ジャンルを越えるメタ言語学 ほか)
著者等紹介
井桁貞義[イゲタサダヨシ]
1948年生まれ。専門はロシア文学、比較文学比較文化、異文化コミュニケーション論。早稲田大学大学院文学研究科ロシア文学専攻修了。現在は早稲田大学文学部教授
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